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新潟県知事選「ネトウヨのせいで野党が負けた」は偽りだ

「ネット右翼十五年史」特別編

「ネットで人気の議員」が与党系の勝因か?

安倍晋三総理の自民党総裁3選が「ほぼ」確定となった。与党系・花角英世氏(自公支持)が池田千賀子氏(野党推薦)に新潟県知事選挙で勝利したことによって、である。

6月12日に投開票が行われた新潟県知事選挙は、来る2019年参議院選挙の巨大な前哨戦であり、また「モリカケ」問題で支持率を落として動揺する安倍政権にとって、秋の総裁選の安倍3選を占う余りにも重要な試金石でもあった。

また、2018年度中に解散総選挙が行われない前提に立つと、国政選挙の無い今年度における新潟知事選挙は、ちょうど安倍政権の信任の是非を問う中間選挙的な意味合いがあった。

元来、新潟県は田中角栄が絶大な影響力を誇ったが、「角福戦争」で田中派と鋭敏に対立した清和会(森、小泉、第一次安倍、福田、第二次安倍)が21世紀に入り政権中枢を握ると、TPP加盟推進などの新自由主義的政策が推し進められ、新潟のような農村票は切り捨てられていき、今や完全に自民党王国では無くなっている。

前回の首長選挙では野党系(米山隆一)が勝利し、国政選挙でも自公vs.野党系の伯仲が続く、全国屈指の接戦州(スウィング・ステート)になったのが新潟である。この県の首長を与野党どちらが支持する候補が制するのかが、単なる知事選にとどまらない、圧倒的に大きな意味を持っていたのは言うまでも無い。

 

選挙戦において、与野党は全力を投じた。国政での対立、いわゆる「モリカケ」問題を持ち込みたい野党は、「反自民」で前回選挙よりもさらに結束し、戦力のほぼ全てと基礎票田である労組を結集して新潟に送り込んだ。ただ今回の「野党結集」には、つい先日まで「改革保守」などと標榜していた「希望の党」を受け継ぐ「国民民主党」なども含まれており、有権者にとっては「烏合」と映ったと言わざるを得ない。

一方、国政レベルでは「モリカケ」問題で支持率が漸減する危機の中、国政の対立構造を持ち込まれたくない与党系花角陣営は、「新戦術」とも呼べる手法を採用して知事選挙に臨んだ。選挙戦の最終盤に至るまで、自民党や公明党の党人的色彩を希釈化し、できるだけ政党とは関係の無い「市民有志(県民信頼度ナンバーワンの県政を実現する会など)」による街頭演説に努めたことである。

しかしながら選挙終盤に池田候補が猛追すると、最終的に花角陣営は中央からの”有力弁士”の投入に踏み切るに至った。