証券界が震撼した「仮想通貨集団の上場企業買収」仰天の内幕

資本市場の根源的問題が問われている
伊藤 博敏 プロフィール

証券界が大騒ぎ

仮想通貨大国・日本のなかで、怪しさも知名度も発行規模も最大級と言っていいのがノアコインである。華原朋美に道端アンジェリカまで登場した派手なセミナーについては、本サイトで藤岡雅氏が、17年7月5日配信でレポートした。

そのノアコインが、ケイマン籍で東証2部に上場するビート・ホールディング・リミテッドに、6月8日、大胆な株主提案を行ったことで証券界は賑わった。翌営業日の11日、12日と、商いを伴って急騰。12日はストップ高の763円を記録した。

日本で資金決済法上の登録を受けていない仮想通貨・ノアコインが、「仮想通貨取引所を開設する」と宣言、上場企業の買収に等しい提案をするのは、企業社会の常識から考えておかしい。まず、登録を受けるべきで、順序が逆だろう。

 

怪しい通貨の怪しい提案に触れる前に、ノアコインとは何かを振り返ってみたい。

ノアコインは、フィリピンの政財官民が一致団結して作っているもので、フィリピンの貧困問題を解決するためのプロジェクトだとアナウンスされた。

17年6月10日に開催されたセミナーは、ノアコインを盛り上げるためのもので、そこになぜ歌手やファッションモデルが登場するのかはわからないが、都内の大ホールに集まった約1000名の聴衆を沸かせるには十分だった。

だが、メッキはすぐに剥げる。

フィリピン大使館は、その直後、「日本市民の皆様から受けた問い合わせに応える」という形で、政財官民一体のプロジェクトを否定した。「フィリピン中央銀行は、(ノアコインの運営母体の)ノア・ファウンデーション及びノア・グルーバルに対し、ノアコインの事前販売に携わる権限を与えていない」という。

また、ノアコインの事前販売活動は、会社定款に記載されたノア・グルーバルの主要・副次目的からかけ離れたもので、しかもノア・グルーバルには、国債、証券などを販売するライセンスや権限はなく、届出住所に実在せず、「市民の皆様はデジタル金融取引への従事には慎重に」と、警告している。

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