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金正恩が警戒する「120万朝鮮人民軍の軍部クーデター」

実は留守にするのが心配で仕方なかった

世界を混乱に陥れてきた「2大巨頭」の初顔合せ。その裏で金正恩委員長の頭の中には、ある「懸念」が消えなかったという――。

建国以来最大のイベント

米朝首脳会談の開催場所となったのは、シンガポールの外島・セントサ島にある5つ星の最高級リゾート「カペラホテル」。全112室で、436平方メートルのスイートルームは、1泊82万円もする。

なぜこのホテルが選ばれたのか。アメリカ政府関係者が語る。

「このホテルを最終的に会談場所に選んだのは、何より警備がしやすいからでした。トランプ大統領は、イスラエルのアメリカ大使館をエルサレムに移転したり、イランの核合意破棄などで、中東の過激派グループから狙われるリスクがある。

一方の金正恩委員長も、昨年2月に隣のマレーシアで、異母兄の金正男氏を空港で派手に暗殺したばかりで(北朝鮮政府は犯行を否定)、極度に暗殺を恐れている。

トランプ大統領は当初、自身の大口の支援者であるカジノ王アデルソンが経営するマリーナベイ・サンズで会談を行い、合わせて金正恩委員長とカジノで遊ぼうと考えていた。

だがこのホテルでは、警備が万全でないのと、カジノ遊びはさすがに不謹慎だろうということで、カペラホテルに変えたのです。二人で中庭を散策したりというサプライズがあるかもしれません」

 

朝9時からという早い時間の会談開始にしたのは、アメリカの夜のゴールデンタイムに合わせたものだと、日本では報道されたが、これは違う。北朝鮮は、すべての重要行事を「9」に合わせる習慣があるため、北朝鮮側からアメリカに要求したのだ。

儒教では「中央が八方を統治する」という思想から、中央プラス八方で「9」をラッキーナンバーとしている。そのため儒教の正統な後継者を自任する北朝鮮では、何でも9に合わせるのである。

「建国の父」金日成主席は、北朝鮮の建国を、わざわざ(1948年)9月9日に合わせたほどだ。

金正恩委員長の誕生日も1月8日で、正統な後継者であることを示すため、足すと9になる。父・金正日総書記の誕生日2月16日も同様だ。

こうしたことから、トランプ大統領との会談日を、6月12日と足して9になる日にし、合わせて開催時間も午前9時を、北朝鮮側が要求したというわけだ。