相続で家族が大モメ…!「争族(あらそう・ぞく)」が急増するワケ

新・争族(あらそうぞく)の現場から
江幡 吉昭 プロフィール

介護で5000万円の預金が消えた?

では、実際、起きている争族にはどんなケースがあるのか。

私は多くの争族の現場に立ち会ってきたが、半数以上は、認知症になってしまった親の財産を。近くで暮らす子供が勝手に使い込んでいたことが原因だ

神奈川県に住む飯田恵子(60才・仮名)のケースがまさにそれ。

 

恵子さんは昨年88才になる母を亡くした。母親は亡くなる5年前から認知症が疑われる症状が進み、実家のある和歌山県内の高齢者施設で暮らしており、県内に嫁いだ姉(63才)が面倒を見ていた。

葬儀も無事に終わり、遺産相続の話になったところで問題が発覚した。あるはずだった母親の預金がまったくからになっていたのである。

「お父さんが死んだとき生命保険や預金で5000万円の現金が残っていたはず。あの金はどうなったの? 3年で無くなるのはおかしいじゃない」。恵子さんが姉に尋ねると、「施設に入っても色々と物入りで、その都度引き出していたらなくなったのよ」というばかりで、具体的な使途についての説明がない。

実は姉の夫は数年前から事業がうまく行っていなかった。自分たちの生活費や会社の運転資金に充てたのではないか――。恵子さんはそう推測しているが、証拠がない。

恵子さんとしても、自宅で面倒を見ていたわけではないにせよ、姉がそばにいたのは事実だし、一方で自身は遠くで暮らしていたという負い目がある。姉が多少自分より多く財産をもらうのは仕方ない。が、さすがに0というのは納得が出来ない、というわけだ。「何に使ったか示しなさいよ」「いちいち領収書などとっていないじゃない」と、平行線が繰り返されるばかりだ。

やがてこの一件をきっかけに両者の争いは、過去の話にエスカレートしていく。
「認知症だったかもしれないが、母親がトイレに間に合わなかった時に人前で叱った。あなたはひどい女だ」「毎日面倒見ていれば言葉がきつくなることだってある。なにもしていないくせに偉そう言わないで」。

最後には「姉さんは私立大学に行ったけど、私は国立しかダメと言われて結局大学に行けなかった」「それはあなたの頭が悪いからでしょ」と、まさに泥沼状態だ。

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