日本代表の初戦、コロンビア戦が行われるモルドヴィア・アリーナ。市内からのアクセスも良好だ(撮影/竹田聡一郎)

ロシアW杯、日本代表の初戦が行われるサランスクはこんな街

放浪系ライターの前乗りレポート
いよいよ4年に一度の世界最大の祭典、ロシアワールドカップが開幕する。我らがニッポン代表は、6月19日にコロンビアとの初戦に挑むが、舞台となるサランスクはどのような街なのか。現地に前乗りしたライター・竹田聡一郎氏が、日本戦が行われる3都市をレポートする第一弾。
(本文中の通貨はすべてルーブル[₽] 。1₽=1.8円/2018年6月現在)

少し肌寒い初夏のサランスク、準備はおおむねOK

サランスクは、モスクワから東南に約600km(東京を起点にすれば、高知市や広島県尾道市くらいの位置)、今回のW杯で試合が行われる11都市の中でもっとも小さな規模の街だ。人口は約30万人。地元の人の大半は、「こんな小さな街にクリスチアーノ・ロナウドが来てくれるなんて!」(6月25日にグループリーグ最終戦ポルトガルvs.イランがある)と自虐的に歓喜しているようだ。

 

確かに小ぶりな街ではあるが、短期滞在のビジターにはそれがありがたい部分でもある。空港こそ市街地から離れている(それでも約7km程度でタクシーで約10分/200~250₽)が、試合会場のモルドヴィア・アリーナをはじめ、ランドマークの大聖堂カフェドラリニ・サボール・フェオドラ・ウシャコヴァや、その脇に設置されたファンフェスト(パブリックビューイングなどのあるイベント会場)、オフィシャルグッズショップ、鉄道駅、FAN ID(チケットホルダー用の身分証)センター、チケットセンターなどが、すべて市街地に集約されていて、それぞれ徒歩で、最大でも25分前後でアクセス可能だ。

大聖堂カフェドラリニ・サボール・フェオドラ・ウシャコヴァ。すぐ横にはファンフェストの入り口も
6月7日、開幕1週間前のファンフェスト
噴水広場には大会公式マスコットの狼「ザビワカ」との写真撮影スポットも
街のいたるところにW杯関連の案内板が

バスやトラムも頻繁に走っているし、試合の前後は臨時のシャトルバスも運行する予定で、何よりもスタジアムからは試合後、四方に観客が徒歩で拡散できる立地に建てられているため、大きな混乱はなさそうだ。

開幕を1週間前に控えた時点で、上記のW杯関連スポットの準備も順調に進んでいる。粗を探せば、スタジアム東南側の駐車場では引き続き工事が続いていたが、それでも8年前の南アフリカ、4年前のブラジルと比較すれば、格段に整っていると言っていい。さすがは大国ロシアである。

目抜き通りから望むモルドヴィア・アリーナ

治安対策もかなり強化されているようだ。

新設された空港やスタジアムはもちろん、鉄道駅や大きなホテルのフロント前ではかなり厳しいセキュリティチェックが行われ、主要な交差点や大通りには絶えずパトカーや警察官が徘徊している。旅に絶対の安全は存在しないが、こちらも2010年南ア、2014年ブラジルよりは余裕のある観戦旅を満喫できるのではないか。

現地を訪れるファンが気をつけるべきは、気候と服装だろうか。6月のヨーロッパには、梅雨のない初夏というイメージがあるが、初戦のサランスクや2戦目が行われるエカテリンブルクは、緯度でいえば、モスクワとほぼ同じで、ロンドンやベルリンより北に位置する。

日本なら宗谷岬よりずっと北だ。季節はちょうど春から夏への季節の変わり目といったところで、街中にはタンポポの綿毛がふわふわと舞っていて幻想的だが、気温は低い。薄いダウンを羽織る人もちらほら目につく。

また、晴れの予報でも、必ずと言っていいほど、日に一、二度のシャワー(にわか雨)に見舞われるが、それさえ気をつければ涼しく快適な気候だろう。気温は上がっても20℃そこそこなので、最近の大会ではもっともコンディションはいいかもしれない。選手のハイパフォーマンスも期待できる。