新潟県知事選、勝者も敗者もいない「虚無感の正体」

いつまで「踏み絵」を強いるのか…
河野 正一郎 プロフィール

「最後の選挙」となるか……

新潟市選出の自民党県議は選挙最終盤、私に「原発を再稼働させられると考えている県議は自民党でも2、3人しかいないと思う」と語った。自民党県議は32人(現在の新潟県議は50人)だから、いかに少数派かわかる。この県議はこうも言う。

「福島の事故を見てしまったいま、柏崎刈羽原発の再稼働は現実には無理でしょう。だれも説得できませんよ。そういう現状を知っていれば、安倍政権は原発再稼働推進なんて言えないはず。再稼働問題については国が早く脱原発を決断してもらって、新潟県民に再稼働の是非を問うような形での選挙は一刻も早く終わらせてほしい」

すでに新潟では、原発再稼働は現実的ではない、と捉えられているということだ。そのことは花角氏が選挙公約で、「いずれは脱原発」と明記したことにも表れている。

 

芸妓が行き交い、かつて日本海側トップの繁華街とされた新潟・古町。空洞化が進み、飲食店街は次第にJR新潟駅前に移りつつある。そんな古町を地盤に選出されている小島隆県議(自民)の事務所を、選挙戦最終盤に訪ねた。

小島氏は「今後も知事選のたびに原発問題が争点になるのでしょうか。それでは、基地賛成か反対かが毎回争点になる沖縄と同じになってしまう。もちろん、それは最重要課題であるのは分かる。でも、沖縄にも、基地以外の大事な争点があるはずですよね」と言う。

確かに、沖縄県知事選も選挙のたびに、基地の安全問題や移設問題が争点になる。しかし、地域振興策も大きな課題の一つであるはずだ。今年は、沖縄県知事選も予定されている。候補者の公約には地域振興策も盛り込まれるだろうが、おそらくクローズアップされるのは基地問題だ(繰り返すが、基地問題は重要な課題だ。しかし、メディアも含めてほぼその問題のみを取り上げてばかりでいいのか、という疑問はやはり浮かんでしまう)。

小島氏は「かつての古町のにぎわいを取り戻すためにも、不毛な知事選を繰り返すわけにはいきません。原発イエス、ノーの選挙は最後にしたいですね」と話した。

本当に最後にできるだろうか。

今回は新潟県民が選択した。次は、政府が現実を直視して決める番だと思う。