紀州のドンファンが愛犬イブの墓を作った時の「本当の心境」

「もし、私が死んだら…」
吉田 隆

「葬式をするから田辺に来てもらえませんか?」

5月8日に社長が住む田辺に行くと、イブちゃんは2階の寝室でオレンジ色のエルメスの箱に入れられてそこに花が沢山飾られていた。その日の午後に神主さんと坊さんが来て通夜のようなものをした。

亡くなったイブちゃん

「なんで神主さんと坊さんを呼んだんですか?」
「精一杯弔いたくてね~」

そこにいたのは社長、いまの奥さん、そして家政婦のKさんと、元従業員でイブちゃんの世話をしていた60代の男性と私。翌日に葬儀をすることになっていた。すると、

「葬儀は延期するから。火葬もしない」

急に社長が言いだした。朝令暮改という言葉があるが、社長はまさに朝令暮改を地で行く人。さっき言ったことがコロコロかわるのも日常茶飯事だった。

 

大理石の墓

昨年12月に社長は外塀を新築しており、大理石の玄関階段脇にはイブちゃんが亡くなったら入れる納骨用のスペースを作らせていた。

「イブが亡くなったらここに骨を入れるんです」

縦20、横30センチぐらいの大理石の蓋で、開けてみると深さが20センチほどある。以前はそう言っていた。「イブが死んだときには、ここに遺体を入れるんだ」と語っていた。