孫正義が初めて明かす「僕は経営の修羅場をこうして生き延びてきた」

1兆円をドブに捨てた男と呼ばれて…
マネー現代編集部 プロフィール

どん底を楽しめ

数ヵ月で株価が真っ逆さまに落ちていった。

99%下がったんですよ。ソフトバンクの全体の時価総額が20兆円だったのが、2000億円まで下がりました。100分の1にまで下がったどん底のところで、僕は「よし!」と思った。

神様がワシに試練を与えてくれたと思って、これはこれでおもしろい人生じゃないかと。

 

ついこの間まで、人生が記号のような、銭金が勝手に押し寄せてくるような、そんな状況になっていたのが、どん底に陥ったわけです。逆に闘争心が掻き立てられ、ガァーっとアドレナリンが湧いてきたんです。

俺はネットバブルで実力以上に評価されたりしたけど、本当の俺の底力を見せてやるぞと思いました。「いよいよ戦うぞ!」というような強烈なやる気が沸き起こってきた。死にかけた男が生き返ったわけですから。なんぼのもんじゃい、会社が潰れてでも戦うぞと。

どうせ戦うなら日本で1番大きい会社と戦おうと思ったんです。

普通の会社と戦ったら弱者いじめをしているみたいで、なんとなく気がひける。一切の手加減をせずに、全力をあげてぶち当たってやるぞと。

相手は日本一大きな会社。NTTですね。

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大きい相手に挑め

日本国政府が筆頭株主の会社で、100年間独占していた会社です。法律で独占のポジションを守られた会社。よし、あいつらのせいで日本のインターネットが遅くて高いなら、これを変えてやると挑戦を決めたわけです。やつらの料金の3分の1……実は4分の1の価格で、通信速度は100倍のサービスに挑戦しました。

3日間で100万件の申し込みがきました。