官房機密費「支出先文書は5年で廃棄」「9割が領収書不要」の実態

本来と異なる使途に流用されている…?
三木 由希子 プロフィール

機密費の9割が政策推進費

しかし、機密費は使途を非公開としているだけでなく、5年で支出に関する行政文書そのものもなくなることがわかった。

それに加えて、実はもう一つ問題がある。それは、使途が行政文書として保存されているかどうかも疑わしいという問題だ。

おそらく、筆者が確認した行政文書ファイルに含まれる機密費の使途は、「調査情報対策費」と「活動関係費」に関する文書だろう。

 

この二つの経費は、事務補助者(おそらく職員)が、支払決定書に基づき支払いを行っているからだ。これは、行政文書として残る。

しかし、「政策推進費」は、官房長官が自ら直接相手方に支払っている。手持ちがなくなると国庫から払い出されて官房長官の手元に補充され、一説よると官房長官室の金庫に保管されているという。

この支払いには領収書が必要なく、官房長官が個人で管理しているため行政職員が関与していない。

最高裁判決で公開された情報から、機密費の約90%がこの政策推進費の支出であることがわかっている(2018年3月21日 毎日新聞「官房機密費 9割が領収書不要 政府、支出文書を初開示」)。

過去に流出したとされる機密費の使途を記録した文書等には、ノートに支出先を書き込んだ子どものお小遣い帳のようなものがあり、官房長官が個人で記録を作っているようではある。

方法は別にして、少なくとも内閣の重要政策の推進のために使っているので、誰にいくら支払ったのかなどは、官房長官の手元に必ず記録が残っているはずだ。

しかし、「政策推進費」は、行政職員にその使途情報が渡らないよう管理がされているので、記録は高度な政治レベルで抱えておくもの、という慣行の中で扱われてきている。

行政文書として管理するとなると、そうもいかなくなるので、何か記録があっても、それを組織的に管理する行政文書として扱うかは別問題になるし、政治的に決断しない限り残ることはないだろう。