〔PHOTO〕gettyimages

官房機密費「支出先文書は5年で廃棄」「9割が領収書不要」の実態

本来と異なる使途に流用されている…?

機密費の使途はわからない

2018年1月19日、最高裁は、内閣官房機密費(以下、「機密費」)の支出に関する行政文書の一部の公開を命じる判決を出した。

それまで総額(2018年度予算では約12億円)しかわからなかった機密費のごく一端が、情報公開されることになった。

機密費は、官房長官の判断で使用されており、情報収集や非公式に合意や協力を得るための相手方への対価、慶弔費等に支出されている。

今回公開が命じられた範囲には、具体的な使途は含まれていない。

公開されたのは、月ごとの総額の収支や払出した総額だ。具体的な使途がわかる情報は、内閣官房の行う業務への支障になるとともに、外交・安全保障上の不利益を被るとして、非公開とすべきと最高裁は判断した。

機密費の使途が公式に公開されたことはこれまで一度もないが、政界工作や世論工作にも用いられていると言われている。過去には何度か、金銭の渡った先が話題になっている。

 

例えば、2000年には政治評論家に機密費から金銭が渡っていたと週刊誌で暴露された。また、2002年に日本共産党は、入手した機密費の金銭出納帳とされる文書を公表した。それによると、与野党の政治家に機密費から金銭が渡っていたことが記録されていた(https://www.jcp.or.jp/activ/activ45-kimituhi/)。

2010年には、1998年の沖縄県知事選で、保守系新人候補者に3億円が機密費から渡っていたことを、当時副官房長官だった鈴木宗男氏がTBSのインタビューで証言した。

この知事選では、現職知事が落選し、保守系候補者が当選しているため、機密費が影響したのではないかと言われている。

このような断片的に伝わってくる機密費の使途は、本来の支出可能な使途の範囲を超えて流用していた疑いが指摘されている。

さらには、政策や選挙結果、世論が左右されているのではないかと強く疑われるが、この先、情報公開請求によっては公開しなくてもよいという最高裁のお墨付きを政府はもらったことになる。

しかも、情報を非公開にできるだけでなく、実は機密費の使途を記録した行政文書は、5年間保存の後、廃棄していることが筆者の情報公開請求の結果わかった。

機密費の使途等が記録された行政文書は、内閣官房の保有している「その他内閣庶務関係」という名称のファイルで保管されていた。

この名称で行政文書ファイル管理簿を検索すると、保存期間が5年、保存期間満了後の措置に「廃棄」とあるため、5年保存で廃棄されることがわかったのだ。