Photo by iStock

アラフィフになって直面する「白髪、染めるか染めないか問題」

白髪のままにするグレイヘアが急増中

グレイヘアが急増中

最近、アナウンサーの近藤サトが、テレビ番組に白髪のまま出演したことが話題になった。

ネット上では、「一瞬誰だかわからなかった」「染めれば良いのに」「老けて見える」など否定的な声が上がる一方で、「似合ってる」「グレイヘア素敵です!」といった肯定的な意見もちらほら見受けられた。

近藤サトは現在49歳である。同世代の女性に比べると確かに白髪が多いかもしれない。しかし、その年代なら誰でも多かれ少なかれ白髪というものに直面しているのではないだろうか。

染めるのか、染めないのか。隠すのか、隠さないのか。アラフィフ女性にとって白髪をどうするかは避けて通れない問題である。「髪は女の命」などと言われる限り、抜け毛だけでなく、白髪もまた曲者である。

もちろん男性の髪にもいろいろと問題は発生するだろうが、こと白髪に関しては、世の中は比較的寛容だ。男性の白髪はロマンスグレーなどと言われ、好意的に受け入れられる。だが、女性の白髪に世間は厳しい。女性の白髪にはそんなポジティブな言葉は存在しなかったのである。

Photo by iStock

しかしながら、数年前から風向きが変わってきた。発端とされるのは、2012年にアメリカで出版された『Advanced Style』という写真集である。ニューヨークの街を行くおしゃれな高齢女性のファッションを紹介して話題となり、映画化もされるほどの人気となった。しかも、写真集・映画ともに、登場する女性たちの多くは、白髪ヘアのままファッショナブルに装っていたのである。

この流れは日本にも波及し、『Advanced Style』をまねた高齢女性のファッション写真集が登場したり、2016年には『パリ マダム グレイヘアスタイル』という本も出版された。この頃からオシャレな白髪に対して「グレイヘア」という呼び名が与えられ、市民権を得始めたのである。

同世代はもちろん、比較的若い女性たちも先輩たちに向かって「格好いい」「素敵」「私も将来あんな風になりたい」と賞賛の声を上げた。2017年の10月にはNHKの「あさイチ」でも「40代からのグレーヘア」という特集が組まれたり、アラフィフ女性を対象としたファッション誌でも取り上げられたりすることが多くなった。それにならって、白髪染めをせず「グレイヘア」を楽しむ女性も増加しているらしい。

近藤サトの「グレイヘア」もこの路線に位置づけることができるだろう。確かに彼女は、「グレイヘア」をシックにまとめ、大きめの揺れるイヤリングを付けており、その雰囲気は『Advanced Style』を彷彿とさせた。

だが、若い頃からずっと、「自然体」を売りにしてきた人物ではなく、生き方もファッションも「女子アナ」的なるものを体現してきた彼女があえて、50歳を目前に白髪で世間に登場したからこそ、その「グレイヘア」は異彩を放ったのである。

とはいえ、近藤サトの件も含めて、「グレイヘア」を礼賛しているのは、基本的に女性たちである。女性たちが、自分たち同士で「素敵」「格好いい」「オシャレ」と言い合っているにすぎない。そこが、男性のロマンスグレーとの違いであろう。「グレイヘア」はオシャレかもしれないが、男性からの評判はいまひとつなのである。

ではなぜ、多くの女性たちは白髪染めに走るのだろうか。