辺野古新基地「グズグズの地盤」を見て見ぬふりする政府の異様

7月から土砂の投入が始まるが…
半田 滋 プロフィール

置いただけでズブズブ沈む

今年3月になって、政府がウソをついた疑いは確信へと変わる。

辺野古新基地に反対する「沖縄平和市民連絡会」の北上田毅氏は、情報公開請求により、沖縄防衛局の地質調査結果の報告書を入手した。報告書には「辺野古断層」「楚久断層」について「活断層の疑いがある線構造に分類されている」と明記され、活断層の可能性が指摘されていた。

報告書で公表されているのは、2014年から2年間、埋め立て予定海域の24ヵ所で実施した海底ボーリング調査と音波探査による地質データ。昨年のポセイドンによる地質調査は含まれていない。

驚くべきは、活断層の疑いだけでなく、キャンプ・シュワブ東岸の大浦湾に面した埋め立て予定地の海底が「軟弱地盤」と書かれていたことである。「当初想定されていないような特徴的な地形・地質」「非常に緩い・軟らかい」と記述されている。

地盤強度を示す「N値」は、なんとゼロ。強度を測る用具(重り、試験杭)を置けば、ズブズブ沈むほどの値だった。北上田氏は「マヨネーズの上にモノを置くような状態」という。

辺野古の海底は、場所によっては、軟らかい砂や粘土が約40mも堆積している。大型構造物の基礎地盤にはN値50以上が必要であるにもかかわらず、複数の地点でN値ゼロ層と記載されていた。

 

埋立工事は、まず捨て石を基礎に厚く敷き詰めてから、その上に最大で7000t以上にもなる巨大なコンクリートの函「ケーソン」を設置する。

もちろん軟弱地盤の上に建てることは想定されておらず、ケーソンを設置する前に大規模な地盤改良工事が必要になる。北上田氏は「地盤改良には多額の費用がかかり、環境にも致命的な影響が出る」と指摘する。

問題は海底の活断層や軟弱地盤だけではなく、地上にもある。辺野古新基地が完成した場合、「安全飛行に欠かせない」として米軍が規定した高さ制限に抵触する建造物が、新基地周辺に13カ所もあるのだ。沖縄防衛局が沖縄電力に対し、制限の高さを超える送電鉄塔など送電施設の移設を求めたことから判明した。

そもそも普天間基地の移設理由は、基地が市街地の中心部にあり、米軍の基準では滑走路の延長線上に設置が認められていない小学校、保育所、病院などの建造物が18カ所もあること、周辺に約3600人の住民が生活していることが大きな要因になった。

辺野古新基地が完成した場合、キャンプ・シュワブに隣接して建つ沖縄工業高等専門学校の校舎も米軍基準では違反となるが、米側が基準から外したので「問題はない」(沖縄防衛局)のだという。

防衛省資料より

つまり、普天間基地で行われている「危険の黙認」を繰り返そうというのだ。問題や危険の解消のために移設するはずなのに、移設先でまた同じ問題を抱え込むことになる。

辺野古新基地への移設計画は、「ずさん」という言葉以外、表現するのに適当な用語がみつからない。