35歳の「高齢処女」が、初めてのパートナーから学んだ大切なこと

自分で自分に重荷を背負わせていた
菅野 久美子 プロフィール

ありのままの自分を受け入れる

しかし、決定的なすれ違いは、良太がセックスにかなりの比重を置いていたことだった。そこだけは、良太とはどうしても相容れなかったのだ。

2人は、最終的に円満に別れることになった。良太と別れて、最初の2か月は寂しさのあまり、どん底まで落ち込んだ。しかし、麻衣さんは決して後ろを向いてはいない。

「35歳って、小さい子供がいても全然おかしくない歳だと思うんです。私は『この歳まで処女だなんて、さすがに遅いよね』というコンプレックスがあって、それにずっと苦しんできた。

でも、同じ悩みを抱えている人に伝えたいのは、『完璧な男なんて、いないんだよ』ということ。

傷つくことを恐れて、ウソをついたり、自分を守っても、何も変わらないんです。それがリアルな男性とのお付き合いを通じて、わかりました」

 

良太との経験を通じて、麻衣さんが感じたこと。それは、ありのままの自分、そしてありのままの相手を肯定するということだ。

ずっと「早く処女喪失しなければ」という強迫観念に付きまとわれていた。いざ処女喪失してみると、その後のセックスが良太とは合わなかった。次に出会う男性とも、同じ悩みにぶつかるかもしれないという不安もある。

しかし、麻衣さんは、相手が変わればセックスもうまくいくかもしれない、とも思っている。きっと、100人いれば100通りのセックスがある。だから、前を向いていこう。

それは他でもない、良太が麻衣さんに教えてくれたことだった。

写真はイメージです(Photo by iStock)

都内を中心に女性向けに性生活やセックス関連の相談を行なっている心理カウンセラーの女性は、こう語る。

「『高齢処女』で相談に来られる方には、容姿や家庭環境にコンプレックスを持っている方が多いですね。でも『容姿に自身がない』と訴える方の場合、実は母親や父親との確執のようなものがあって、ありのままの自分を上手く受け入れることができていないケースが少なくありません」

これは麻衣さんのエピソードととても噛み合う要素だと思われる。

現在、麻衣さんは以前のように卑屈になることはなくなったという。良太と別れた傷心はまだ癒えていないとはいえ、新たな出会いに積極的になっている。

少女漫画の世界は虚構だし、DVDのセックスも作り物。現実では、セックスは想像以上に二人の共同作業で、体の相性もあるし、当然ながら男性にだって悩みもある。

完璧な王子様なんていない。まして待っているだけでは、やってこない――。

それが、麻衣さんの出した結論だった。星の数ほどカップルがいるならば、その数だけ性のかたちがあっていい。麻衣さんは、新たな出会いを今も探している。

                                   (了)