就活生の「内定前倒し」に焦る大企業のホンネ

「協定」見直すか、どこまで変えるか…
町田 徹 プロフィール

採用活動早期化の原因

また、ディスコが5月1日現在で内定を得ている学生に対して、内定を出した企業の業界(全40業界)をたずねたところ、トップは「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」の29.3%で、2位に「調査・コンサルタント」の12.5%、3位に「建設・住宅・不動産」の12.3%、4位に「情報・インターネットサービス」の10.9%、5位に同率で「人材紹介・人材派遣」と「電子・電機」の7.7%が続いたという。

関係者の間でよく言われるように、IT系企業の採用活動の早さが浮き彫りになっている。

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同様に、ディスコが内定を出した企業の従業員規模を調べたところ、3月に27.1%だった従業員299人以下の企業が5月に21.0%に下がったのに対し、3月に22.0%だった従業員5000人以上の企業が5月に25.5%に上昇した。このことから月を追うにしたがって大手企業も多くの内定を出している状況がわかる。

採用活動早期化の原因と考えられるのは、産業構造の変化と経済の国際化だ。

ディスコの調査から伺われるように、大企業に先駆けて優秀な人材を囲い込みたいIT系のベンチャー企業のフライングが引き金を引く格好となっているのだ。筆者が35年ほど前に就活をした頃も、大手コンピューターメーカー系のシステムエンジニア会社などが内定解禁の5カ月くらい前に内定を連発していたことが思い起こされたが、そうした企業・業界のカルチャーは変わらないのかもしれない。

 

採用の前倒しのもう一つの原因は、経済活動の国際化だ。経団連ルールに縛られない外資系企業が日本にたくさん進出して新卒も採用する一方で、欧米に進出している日本企業が日本から留学している学生を対象に、現地企業の採用活動にあわせて前倒しのスケジュールで採用活動をせざるを得ないケースもあるという。

少子化・高齢化に伴う人手不足や、好調な企業業績が採用意欲を高める面もあり、採用活動の早期化に歯止めがかかりにくくなっているとみられる。

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