『半分、青い。』ヒロインの「田舎っぽさ」にやられるオジさんが続出

すっかり骨抜きに…
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「すずめロス」が心配

今回の『半分、青い。』でのヒロイン起用にあたっても、永野は2366人が応募したオーディションを勝ち抜き、その座を掴んでいる。

「オーディションで演技を見た段階から、脚本の北川悦吏子さんも私も、『鈴愛ちゃんにぴったりだね』という意見で一致していました。

もともと『これぞ朝ドラヒロイン』という感じの瑞々しさ、明るさを持った子なので、鈴愛のキャラクターが芽郁ちゃんそのもののように思われがちですが、素の彼女は鈴愛というキャラクターよりもずっと深くいろいろなことを考えている。

あの豊かな表情も、ただ反射的に演じているわけではなく、脚本を深く読み込んだうえで、彼女なりのしっかりとした設計に基づいて表現している。でも、それを自然な佇まいでできるので嫌味がないんです」(前出・勝田氏)

この作品において、鈴愛の「左耳が聞こえない」というハンディは、物語全体で重要な意味を持つ。『半分、青い。』というタイトルも、鈴愛が「半分の空は、雨音がしていて雨が降っている。でも、半分は雨音が聞こえずいつも青空だ」と考えたことからついたものだ。

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「『愛していると言ってくれ』や『オレンジデイズ』を見てもわかるように、障害を持つ主人公の葛藤は、北川脚本の重要な要素。

しかし、今回は芽郁ちゃんのキャラクターのおかげで、片耳が聞こえないハンディは随所で表現しながらも物語に影が落ちず、朝ドラにふさわしい軽やかさが保たれています」(コラムニストの桧山珠美氏)

 

前出の影山氏は、永野がまとう独特の「透明感」を、あの大ヒット朝ドラの主人公に重ねあわせる。

「あれは、『あまちゃん』のときに能年玲奈(現・のん)が持っていたものと同じだと思うんです。東京に出てきても、田舎の子ならではのあどけなさを残しながら、ときおり驚くほど深みのある目をすることもある。あの瞳には、誰しも心を射抜かれてしまうような気がします。

『あまちゃん』が放送終了した際には、いわゆる『あまロス』に陥る人がいましたが、今年の秋には『すずめロス』を感じるオジさんがたくさん出てくるでしょう(笑)」

9月末のお別れを考えるといまからさみしくなるが、ドラマでの鈴愛の人生は、恋も仕事もこれからが本番。可愛さに魅了される朝は、まだまだ続く。

「週刊現代」2018年6月9日号より