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すっかり骨抜きに…
週刊現代 プロフィール

「七色の涙」に感動

結局、秋風への弟子入りを決意した鈴愛は、農協への就職を辞退し東京へと旅立つのだが、そのシーンでも、永野の表情の魅力は、余すことなく発揮される。

朝、東京に向かうバスに乗り込む鈴愛を、家族と親友の菜生(奈緒)が見送りにくる。

「がんばれよ」「帰ってこいよ、たまには」……。

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バスの乗降口で次々と投げかけられる温かい言葉に、笑顔で気丈に応える鈴愛。だが、母の晴(松雪泰子)から「身体、気をつけるんやよ」と声をかけられると、口をきゅっと真一文字に結ぶ。

そして、幼馴染の菜生が無言で小さく手をふると、一瞬フッと笑うものの、すぐに顔を背けて座席に進み、大粒の涙をボロボロとこぼす――。朝ドラの醍醐味といえる旅立ちのシーンを、永野は情感たっぷりに演じてみせた。

「東京に出てくるまでの一連の場面だけでも、彼女は何回涙を流したかわかりません。ふつうは泣きの芝居が続くと視聴者の方を飽きさせてしまう。

ところが、彼女は型にはまった泣き方はけっしてしないんです。悲しい、悔しい、または名づけようのない感情を、自然に演じわける。『七色の涙』です。役に入りきって、こちらが期待した以上の表情を見せてくれます」(前出・勝田氏)

 

その卓越した演技力を武器に、永野は女優として着実なキャリアを積み重ねてきた。

小学校3年の時にスカウトされて芸能界入りし、ファッション誌のモデルとして活躍。'15年の映画『俺物語!!』では、オーディションで初のヒロイン役に抜擢された。

「昨年公開された『ピーチガール』という作品では、主演である山本美月さんの恋敵という設定で出演していましたが、本当に底意地悪くて憎たらしかった(笑)。

彼女は演じる役柄によって与える印象がまるで違う。これは巧い女優さんだなと、感心したのを憶えています」(前出・齋藤氏)