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大株主が宣言!「東芝・車谷暢昭会長の退陣を要求する」

「東芝メモリ」の叩き売りにノー

1年にわたった売却騒動は、ようやくカタがつきそうだ。だがこの数ヵ月にわたり、東芝を怯えさせてきた「物言う株主」は、次の一手を考えていた。その要求に、車谷会長はどう反論したのか?

外国人株主が72%

「私は日本が好きだし、これまで敵対的TOBといったような乱暴なことを仕掛けたことは一度もありません。

しかし、もし私たちの提案に対し、東芝がゼロ回答ならば、残念ながら6月27日の定時株主総会では車谷暢昭会長の役員選任に『ノー』の投票を行い、彼の退陣を要求することもありえます」

こう語るのは、香港の投資ファンド「アーガイル・ストリート・マネジメント」のキン・チャン最高投資責任者(52歳)。

東芝の半導体子会社「東芝メモリ」売却に異議を申し立て続け、他の外国人投資家にも強い影響力を持つ。東芝からは「目の上のたんこぶ」と言われてきた有名投資家だ。

昨年12月、東芝は6000億円の増資を行った。海外の投資ファンド60社が引き受けた結果、東芝における外国投資家の存在は異様に大きなものになっている。

増資に応じた海外ファンドだけで、東芝全体の株式の35%を占める。もともとの筆頭株主の米ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースをはじめとする海外の投資銀行などを加えると、「外国人」株主の割合は実に71.62%。もはや東芝は外国資本の会社と言っても過言ではない。

この外国投資家勢のなかで、ひときわ大きな影響力を持つ株主が、「アクティビスト・ファンド」(物言う株主)である。

チャン氏率いるアーガイル社はその代表格だ。増資後に大株主となり、「東芝メモリの売却を急ぐべきではない」と売却に反対する書簡を東芝に対して送付し、動向が国内外から注目されてきた。

 

東芝メモリ――。この半導体メーカーは、年間4400億円の営業利益を叩き出す。東芝本体の営業利益が640億円だから、実に7倍、「虎の子」とも言える稼ぎ頭である。

5月17日、難航を重ねた同社の売却が、ようやく本決まりになった。6月1日、米投資ファンド・ベインキャピタルなど「日米韓連合」に2兆円で売却される。

売却が難航した最大の原因は中国である。独禁法審査をタテに、ぎりぎりまで承認を渋っていたのだ。土壇場での中国の承認に、東芝首脳陣は胸をなでおろした。

だが、安心するのはまだ早い。売却は動かせないとみた冒頭のチャン氏ら海外の「物言う株主」は、売却価格や、売却で得られる収益の使い道を巡り、東芝側に厳しい要求をつきつけているからだ。

連携して動く彼らは今後、株主として臨時株主総会の開催を求め、車谷氏の役員罷免動議を出す選択肢もある。