メガバンクの「大リストラ計画」で余った人材はどこへ行くのか

銀行以外でも他人事ではない
加谷 珪一 プロフィール

セカンドキャリアをどうするか

日本では原則として解雇ができないので、余った人材は何とか自主的に次の職場に移ってもらう必要がある。そこで重要視されるのが、社員のセカンドキャリア斡旋である。

今年1月、金融庁が公表した銀行向け監督指針の改正案に注目すべき条項が盛り込まれた。銀行が取引先企業に対して人材紹介業務を実施できるようになったのである。

 

よく知られているように銀行は一般企業に融資する業務であることから、独占禁止法における優越的地位の濫用について厳しい制限が課せられている。

だが、銀行が人材紹介業務を実施できるとなれば、銀行はその地位を利用して、自行の職員を取引先に斡旋することが理論上、可能となる。

もちろん銀行側は、表立って社員の引き取りを要請することは絶対にしないだろうが、銀行融資への依存度が高い取引先の場合、銀行の状況を忖度せざるを得ないところが出てくるかもしれない。実際、今回の金融庁の決定に対しては、一部から、余った人材を取引先に押しつける結果につながりかねないと懸念する声も聞かれる。

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この話はそのまま一般企業に適用することができるだろう。一般企業の場合、銀行ほど厳しい制限が課せられているわけではなく、取引先に社員を斡旋することは不可能ではない。

余った人材をどこで吸収させるのかは実は大きな社会問題であり、現実には人材の押し付け合いが激化するだろう。仮に社内にとどまるにしても、グループ内の移籍などを通じて、大幅に年収をダウンさせるといった措置が講じられる可能性は高い。人員のボリュームが大きい世代に属している人は要注意である。