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イギリスの「ロイヤル・ウェディング」ドイツ人たちはこう見た

ZDFの実況中継を観ていたら…

ドイツ人の無いものねだり

イギリスで久しぶりにロイヤル・ウェディングが執り行われた。去る5月19日の、チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の次男、ハリー(ヘンリー)王子の結婚式だ。

場所は、ウィンザー城の中の聖ジョージ教会。ちょうど70年前に、現女王のエリザベス2世が式を挙げた場所でもある。長男、ウィリアム王子の結婚式が2011年の4月だったから、イギリスは7年ぶりのお祭り騒ぎとなった。

ところが、もうひとつ、大騒ぎをした国があった。イギリス連邦の非加盟国、ドイツである。

7年前のときも多くのドイツ人女性が、まさに目に星でテレビ中継にかじりついたが、今回も、メディアは前日からフィーバー。ロイヤル・カップルが乗る馬車を見るために、寝袋持参で、沿道で場所取りをしている人たちの様子まで報じた。

普段はよくイギリス人の悪口を言っているくせに、ドイツ人は、結構イギリス王室が好きなのだ。

ベルリンの「世界の庭園」ではパブリックビューイングが開かれた〔PHOTO〕gettyimages

そして、いよいよ当日。挙式は正午だったのに、その2時間も前から国営放送ZDF(ドイツ第2放送)で実況中継が始まった。

実は、ドイツにもかつて、王族・貴族は大小とりどり、それこそ星の数ほどいた。ところが、第一次世界大戦で配色が濃くなるにつれ、社会主義者や民衆のあいだで革命の機運が高まり、皇帝ヴィルヘルム2世は、膨大な財産を列車に積んで、命からがらベルギーに逃げた。これによりドイツ帝国は瓦解。数日後には、ワイマール共和国の建国が勇み足で宣言された。

以来、ドイツに貴族はいない。つまり、現在の王室フィーバーは、無いものねだりなのである(ちなみに、名前にvonやzuが入っている人々は、かつての王族・貴族の子孫)。

 

さて、今回のロイヤル・ウェディングの実況中継をしたのは、ZDFの司会者(男性)のほか、女性の王室ジャーナリスト(?)と、「ガラ」誌の記者(女性)、そして大手日刊紙「Die Welt」の記者(男性)だった。

ガラというのは、スターやセレブの動向、およびゴシップの専門誌だ。そして、高揚した面持ちのこの4人の前に、星条旗とユニオンジャックを描いた巨大なケーキが陣取っていた。

(Foto: Screenshot ZDF)
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