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60過ぎたら血圧は「上」より「下」に気をつけろ

高血圧「なってから」生活術

高血圧の患者は1000万人を超えている。もはや血圧が高いことは、ほとんど「前提」。そのうえで、どう症状をごまかし、決定的に悪化させることなく、「共生」していくかが重要になる。そのための簡単な工夫を集めました。

騙し騙し、寿命を全うする

「血圧が高い人が生活習慣を改善しようとすると、『運動をしなくちゃ』『食事を減らさなくちゃ』と義務感に駆られがちです。

しかし、そうした義務感を覚えた途端、ストレスがかかって血管は縮み、逆に血圧が上がってしまいます。生活習慣の改善は、『楽しく変えることができる』程度がいい。それで血圧が下がることも多い」(東京医科大学名誉教授の高沢謙二氏)

血圧の悩みを抱える日本人は多い。

昨年の厚生労働省の発表によると、最高血圧が140mmHg(以下、単位は省略)を超える20歳以上の男性は、34.6%に上る。50歳を超えれば、大半の人が、高血圧にどう対処すればいいか頭を悩ませているだろう。

しかし、病院に行っても、医師から伝えられるのは、「酒を控えろ」「減塩せよ」「ストレスを減らせ」といった通り一遍のお題目ばかりだ。

そんなことは重々承知だけど、実行に移せないから困っているんだ!心の中でそう叫びたくなる気持ちはよくわかる。

しかも、冒頭で高沢氏が述べた通り、義務感で生活習慣を変えようとすると、かえってストレスで血圧が上がることもある。そうなってしまっては、本末転倒だ。

 

今回は、高血圧に「なってから」、なるべく数値を上げずに、騙し騙し、その血圧と付き合っていく生活術をご紹介する。心筋梗塞や脳卒中といった「死に至る病」を発症することなく、寿命を全うするための術だ。

だが、その前に確認しておきたい。高血圧に「なってから」の「血圧の数値の読み方」で注意すべき点をご存じだろうか。

最高血圧140、最低血圧90(家庭での測定値では最高135、最低85)以上が、高血圧とされることは周知の事実だ。一度その基準値を超え、高血圧と診断された後、多くの人が注目しがちなのは、「上の数字」、つまり最高血圧のほうだろう。

しかし、ここに罠がある。60歳を過ぎてからは、「上」はもちろんだが、それにも増して、「下」の数字にも気をつけておいたほうがいいのである。

「病院の中を歩いていると、高齢の女性が『上(最高血圧)は160だけど、下(最低血圧)が70だから、そんなに血圧が高いわけじゃない。安心よ』と言っているのを見かけたことがありますが、これは大きな間違いです」(前出・高沢氏)