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日本が中国に「ユニコーン企業」の数で大敗北を喫した理由

明暗を分けた両国の大きな違いとは?
沈 才彬 プロフィール

9人の創業者のうち4人が20代で起業

ユニコーン企業の誕生には若者の旺盛なベンチャー意欲が不可欠である。中国の9大新企業創業者たちの起業時の年齢を見れば、そのことをすぐに理解してもらえると思う。次に列記してみよう。

・程維(滴滴出行)――29歳
・胡瑋煒(モバイク)――32歳
・汪滔(DJI)――26歳
・張旭豪(餓了麼)――23歳
・羅軍(途家)――43歳
・任正非(ファーウェイ)――43歳
・馬雲(アリババ)――33歳
・李彦宏(百度)――31歳
・馬化騰(テンセント)――27歳

20代で起業したテンセントの馬化騰(英名ポニー・マー)/Photo by Gettyimages

このように、20代で起業したケースが4人、30代が3人、40代前半が2人であり、若いころの創業だったことがわかる。さらに言うと、餓了麼の張、DJIの汪は大学時代に創業している。他の7人は脱サラ組だ。私見だが、創業する時期は、好奇心が旺盛で新しい分野や外部世界への探求意欲が強い20~30代が最適ではないだろうか。

残念ながら、中国と比べると、日本には創業意欲を持つ若者が少なく、現状に安住しがちな「草食系」が増えている。これに加え、ベンチャーキャピタル(VC)の不在という問題点も日本には存在する。

『ベンチャー白書2016』によれば、2015年度の世界各国のVC投資額は、アメリカが723億米ドル、中国が489億米ドル、インドが118億米ドル、イギリスが48億米ドル、イスラエルが43億米ドル、ドイツが29億米ドル、フランスが19億米ドルという順位になっている。

これに対し、日本のVC投資額はたったの7億米ドルで、アメリカの1%未満、中国の1・4%にすぎないのだ。いくら若者が起業したくても、それをバックアップしてくれるVCが日本には存在しないに等しい。

 

ベンチャー企業には「九死一生」の鉄則がある。つまり起業しても生存率はせいぜい1割しかない。9割は5年以内に死んでしまうのだ。一度や二度の失敗を寛容する社会風土がなければ、ベンチャー企業の成功はなかなか望めない。ところが、日本社会には失敗をなかなか許さない社会風土が根強くある。

典型的な事例は2006年、青年創業者の代表格だったライブドア社長(当時)の堀江貴文の逮捕だったと思う。私は法律専門家ではないので懲役2年6カ月の実刑判決に関わる合理性についてはわからないが、堀江の逮捕をきっかけに日本の若者たちの創業意欲は急速に低下し、ベンチャー企業の減少、特にユニコーンの減少につながったのは間違いないと思う。