Photo by iStock

最新型の仕事ロボ「RPA」は人間の代わりにこんなことをやる

日本のオフィスが大きく変わる可能性

ある朝、いつものようにオフィスに出社したあなた。カードキーでドアを開け、自分の席に向かう。するとそこには、自動車工場で見かけるようなロボットアームが、何台も設置されているではないか。

さらに「彼ら」の前には、自分がいつも使っているPCが置かれている。ロボットアームは何も言わずPCに向かい、黙々と同じ動きを繰り返している。自分はメーカーの工場に迷い込んでしまったのだろうか――。

もちろんこれは作り話だが、空想は半分だけで、もう半分は本当の話だ。実はいま、「ロボット」が日本のオフィスを席捲しようとしている。ただしそれは、この話のように物理的な体を持つロボットではなく、プログラムというデジタルの姿しか持たない「ソフトウェア・ロボット」である。

産業用ロボットが扱うのは、組み立て中の自動車のような物理的な部品や製品だ。しかしソフトウェア・ロボットが扱うのは、私たちが普段オフィスで使っているような、WordやExcel、インターネットブラウザといったPCのアプリケーション。なので機械の体は不要で、プログラムだけで十分というわけだ。

 

しかし体を持たなくても、その威力は大きな産業用ロボットに匹敵する。産業用ロボットが工場内のさまざまな作業を引き受け、効率化したように、いまソフトウェア・ロボットがオフィス内のさまざまな作業を効率化しようとしている。

こうしたロボット、また彼らを活用してオフィス内の自動化を進めることを、近年「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」と呼ぶようになっている。そしてRPAは、新たな効率化の手段として、多くの企業が目を向けつつある。

このRPAと、それが実現する未来の職場について、前後編に分けて解説しよう。

Photo by iStock

仕事ロボット「RPA」で何ができるのか

冒頭の話では、RPAを産業用ロボットがPCを操作する姿に例えた。話にインパクトを持たせるためだが、このイメージはRPAを理解する上で役に立つ。

たとえばこんな仕事を与えられたとしよう。毎朝7時にExcelで送られてくる、営業員成績ランキングのトップ10をコピーし、メールのテンプレートにペーストして、朝8時までに本社の関係者100人に送信する、というものだ。

しかもメールはccで送るのではなく、なぜかはわからないが、1人1人アドレスを設定せよと上司が言っている。まさしく機械作業と言うしかないこのタスク、あなたならどうするだろうか?

5月から部署に配属された新人に、作業の流れを教えてタスクを押し付けてしまおうか? そう考えた方は、もうRPAを理解できたも同然だ。そう、この新人役をやってくれるのがRPAなのである。

一定の手順を設定すれば、あとはその手順を決められたタイミングで決められた回数繰り返してくれる。早起きできませんなどと寝言を言うこともなければ、寝ぼけてコピペをミスするなどということもない。

あなたはその分ゆっくり寝ることもできるし、空いた時間で自分にしかできない作業をすることもできる。これがソフトウェア・ロボットの利点だ。