子供を産みづらい、セクハラもあり…日本で女性政治家が増えない理由

新しい法律は男女平等を実現できるか
小林 美希 プロフィール

さらに、女性候補にとっての敵は他の党の候補者ではなく身内(同じ政党内の議員)にいることも少なくはない。

いつか国政選挙に出ようと市区町村会議員から始め、都道府県会議員、国会議員というステップを考えている男性の地方議員にとって、人気の出そうな女性が国政選挙に出ると邪魔者な存在にもなり得る。

ある議員は、「人気の出そうな女性候補者が出ると、身内の男性議員から怪文書が流され、選挙妨害されることがある」と話す。

ある政党の選挙対策関係者は、「3流の人しか選挙に出てくれない」と、候補者確保に頭を抱えている。

たとえ若手の女性に声がかかったとしても、内実としては「絶対に勝てない選挙区だけど、候補者を擁立しけなればならない」「闘う相手が地盤のしっかりした中高年の男性だから、タイプの違う若い女性にしてみよう」という捨て駒の扱いのケースもある。

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これは画期的なことだ

10年ほど前、「候補者に女なんかいらない。独身の女が子育て政策を語っても信ぴょう性がない。私は子育てしながら命がけで闘っている」と豪語していた男性の国会議員がいた(現在は落選中)。

当時、その男性について調べると、同じ選挙区の地方議員など複数の関係者が「若い女性を愛人にしている」「地方議員の公認権があることをいいことに、公認する代わりにキックバックに数百万円を要求された」と明かした。

その男性は議員だった当時、選択的夫婦別姓について「家族の絆をなくす」と大反対をしていた。今もなお選択的夫婦別姓に向けた民法改正が実現されないような永田町の界隈で、候補者男女均等法が出来たことは画期的なことだ。

 

子育て中の市民の声は、ただでさえ政策決定の場に届きにくい。孤立しながらの育児が強いられる社会環境で、投票に行くことすら忘れてしまうほど余裕のないのが実情だ。

そうしたなかで、これまで埋もれてきた妊娠を望む時期や乳幼児の子育て真っ最中の議員がもっと誕生し、男女の差なく政治の道を歩むことができるようになれば、政治家として資質のある人材による政治を取り戻すことができるのではないだろうか。