# 仮想通貨 # 規制緩和・政策

世界最大の仮想通貨取引所が「日本を拠点にしない」理由

何より大切なのは「自由」である
エミリー・パーカー, LONGHASH プロフィール

否定的な報道のきっかけは、CZを「トラブルを抱えた億万長者の仮想通貨王」であると描写したブルームバーグの記事だった。CZはその記事を「中傷キャンペーン」だと見ている。

彼によれば、ブルームバーグの記者たちは仮想通貨を持つことが禁じられており、それが問題の大きな原因だという。

ブルームバーグの記事のあと、CZは「仮想通貨を所有しないジャーナリストのインタビューは受け付けないことにした。所有してみて、それでも嫌いならいい。でも所有すれば、大抵の場合は理解を示してくれる」と主張する。それでも、この方針が受け入れられるのは、なかなか難しいと認める。

 

筆者は、ジャーナリストが仮想通貨を所有すると、自分が持つ通貨または仮想通貨業界に対する批判的な報道を敬遠するようになるかもしれないと、CZに指摘した。

だがCZは私のそんな言い分に対して、利害の衝突はどこにでも存在すると言い、「もしあなたが米ドルを持っていたとして、中国と米国の貿易戦争について何か否定的なことを書く、と言っているのと同じだと思う」と一蹴する。「誰だって、自分が所有しているものについて、何かを書いているさ」。

CZのジャーナリストに対する主張は、彼の大きな世界観を象徴している。仮想通貨はゲームでもなければ、趣味でもない。彼にしてみれば、仮想通貨を持てないと言うのは、家が買えないと言うのと何も変わらない。

「投資の自由を推進する必要がある」

CZは「自由」をかなり強調する。投資の自由、財産の自由、拠点の自由——。仮想通貨は国の境界というものに対抗する。中国政府がビットコイン厳正に取り締まると、ビットコインは活性化する。同様に、どこの政府もバイナンスのビジネスを止めることはできない。

「ある国で運営できないとしても、バイナンスは大丈夫だ」と、CZは言う。「それが仮想通貨の利点だ。仮想通貨は世界をつなげる。私たちは、ひとつの地球に生きているんだ」(訳・山田敏弘)