カメの甲羅はどうやってできるか知っていますか

脊椎動物の異端児だった!?
理化学研究所 プロフィール

カメだけに起きるトリック?

ほかの脊椎動物と途中まで同じだったのに、どうしてカメだけ、肩甲骨が肋骨の内側になってしまうのでしょうか。

どんなに奇妙なかたちをしている動物も、魔法でできたわけではありません。せいぜい手品です。手品ならば、必ずトリック(しかけ)がありますね。肩甲骨と肋骨の位置を逆にするトリックは、体ができていく過程に隠されているはず。そう考えて研究を進め、ついにトリックを見破ることができました。

私たちの肋骨は、胸を囲むように曲がっています。ところがカメの場合、肋骨は曲がらずに横に伸びていきます。これもカメとほかの動物の大きなちがいですが、これだけでは肩甲骨と肋骨の位置は逆になりません。カメは、“体壁”というところに“折れ線”があるのです。体壁とは、内臓を守るように取り囲んでいる筋肉などをいいます。

肋骨が横に伸びていくのにともなって、体壁が折れ線に沿って内側に折りこまれます。すると、体壁と筋肉でつながっている肩甲骨が内側に引っ張りこまれます。その結果、肩甲骨が肋骨の内側に移動したのです。骨のつながり方は変わっていません。体壁が内側に折りこまれる。たったそれだけで、肩甲骨と肋骨の位置が逆になり、甲羅というユニークなものができたのです。

そのような体壁の折れこみが起きる動物は、カメのほかにいません。なぜカメでだけ折れこみが起きるのでしょうか。それを明らかにしようと、研究を続けています。

【図】カメの甲羅ができるまで

甲羅のでき方がよくわかるCGアニメーション、「カメの甲羅はどこから来たか?」はこちら

謎解きは終わらない

子どものころから恐竜や古生物の図鑑が大好きでした。今でも、不思議なかたちをした動物を見ると、ワクワクします。

カメのほかにも、不思議なかたちをした動物は、たくさんいます。私たちが持っている、あごや、耳の中にある鼓膜、そして脳も、動物の体づくりから考えると、とても不思議なものなんですよ。それらがどのようにしてできたのか、謎解きは、まだまだ続きます。(文:鈴木志乃/フォトンクリエイト)

記事提供:理化学研究所