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「米朝シンガポール会談は必ず開かれる」と断言できるこれだけの理由

これほど「絵になる場所」は他にない

6月12日シンガポールと、日程と場所が発表された歴史的な米朝首脳会談が、「漂流」している。

5月22日にホワイトハウスで米韓首脳会談を開くというのに、トランプ大統領はいたたまれなくなり、文在寅大統領と20分間、計15回目となる電話会談を行った。文在寅大統領はこれまで、米朝間を取り持ってきたが、中国が「本格参戦」してきたこともあり、徐々に手に負えなくなってきているのかもしれない。

だが紆余曲折を経たとしても、結局は、米朝シンガポール会談は開かれると、私は見ている。今回はその理由について述べたい。

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なぜいま「超大型リゾート施設」を!?

先週5月14日、注目すべき記事が、朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』の4面に掲載された。

4面は4本の記事と5枚の写真から組み立てられていたが、記事はすべて「元山(ウォンサン)葛麻(カルマ)海岸観光地区建設」に関するものだった。5枚の写真を見ても、元山の海岸沿いに、何やらものすごいビル群が建造されようとしていることが分かる。まさに、国を挙げた巨大建設事業だ。

 

それぞれの記事は長いので、全部は紹介しきれないが、最初の「党が定めてくれた時間に、党が望む高さで!」という記事のみ訳出する。それでも長くなってしまうが、労働新聞としては珍しい、記者による工事現場でのインタビューをまとめたものなので、非常に興味深い内容だ。

〈 敬愛する最高領導者金正恩同志におかれましては、次のように仰った。

「党の命令指示ならば、山岳のように奮い立ち、なりふり構わず、必ず成し遂げねばというのは、わが軍隊と人民の誇るべき伝統であり、闘争の気風だ」

元山葛麻海岸観光地区建設を急ぎ終わらせることは、わが党の雄大な建設構想を現実に花開かせる主体朝鮮の無尽に強い国力を、いま一度可視化させる重要な作業だ。

しばらく前、われわれは建設指揮部の幹部たちと会い、建設の工事規模と進捗状況、竣工日を前倒しすることによって出てくる問題などについて、話を聞いた。

記者: わが党の雄大な構想に則して進行している、元山葛麻海岸観光地区建設について話してほしい――。

設計分科長: 元山葛麻海岸観光地区の総敷地面積は数百万㎡で、延べ建築面積は数十万㎡に達する。元山葛麻海岸観光地区は、40里の海岸に沿って、「休養区域1」と「休養区域2」に分かれて建設している。そこにはホテルとキャンプ地、民泊施設など、各種のサービス施設を始めとする数百棟の建築物が、自然環境とよくマッチするように、対象別の特性と収容能力に合わせて作られる。

注目を引く建設対象の中には、民族文化体験区がある。数千㎡の建築面積の敷地に立つ朝鮮服店、レストラン、跆拳道(テコンドー)場を始めとする10数棟の建築物は、訪れる参観者たちに、わが民族の悠久の歴史と燦然とした文化の伝統を、直接見て感じてもらえるようにする。

その他にも、観光客たちの生活に便宜を図る施設や、数十万㎡の海水浴場、停泊場を始めとする建築対象が、港湾都市の特性に合うよう新たに建設されている。

建設指揮部責任者: 元山葛麻海岸観光地区は、光明な未来に向かって疾風の如く進めている、主体朝鮮の頑強な気風をいかんなく見せつけるものだ。

わが人民に、よりよい文化秩序の生活基地を提供しようという党の遠大な構想によって、建設戦闘が力強く行われている工事現場では、朝と夕とでは違って、建築物が茂みのように浮かび上がっている。

敬愛する最高領導者の新年賀詞を、めいめいが沸き立つ心臓に受け入れ、党の政策を決死的に貫徹する意志で心臓を燃えたぎらせた。そして、建設現場にやって来た初日から現在まで、朝鮮人民軍の軍人たち及び各地の突撃隊員たちは、東海岸の名勝地に、時代を代表するまた一つの記念碑的建築物を建てるための闘争において、大衆的英雄主義と愛国的献身性を、高々と発揮している。

昨年、(平壌の)黎明通りを、主体建築、現代建築の見本、標準として立派に作り上げ、世の人が他では知り得ない建設速度を創造した力強いパワーと設備、装備が、元山葛麻海岸観光地区に、再び投入されたのだ。

記者: 昼夜の別がない戦闘が行われている工事現場は、黎明通りの工事現場を髣髴させるが、現在までの工事状況について教えてほしい――。

施設分科長: 建設指揮部からは、着工当初から、まず下部構造を優先させ、後に上部構造の建設を行うという原則のもとに、一体化した整頓と路盤の整土、下部ネットの工事にエネルギーを集中させた。その結果、ひと月も経たないうちに、全般的な工事区域において、整地整土作業が終わり、基本的な貫路網の設置も済んで、区画の内部ネットの工事を本格的に推進している。

下部施設の貫路網工事が基本的に終わったのに合わせて、骨組み工事を最短期間で終わらせることが、何よりも重要だ。

施工分科長: 海岸地域では、建設の進行に伴い、当初から隘路と難関が、一つや二つではなかった。基礎の底面に休みなくあふれ出てくる海水を取り除く作業を始め、障害物を除去しなければならないなど、工事は開始から困難だった。

だが、党の決心によって、朝鮮の実践という絶対不変の信念を持つ主体建設者たちは、難関を前に直ちに、迷うことなく自力更生、堅忍不抜の力強い闘争を展開した。朝鮮人民軍キム・ヨングン所属部隊の軍人建設者たちは、ひと月という短期間で立派になったキャンプ場4号棟の骨組み工事を、真っ先に完成させる奇跡を創造した。

続いて、新たな平壌精神、平壌速度の創造者である平壌市旅団の戦闘員たちは、何と21世紀の大小の対象の骨組み工事を、すべて終わらせ、朝鮮人民軍キム・チョルホ所属部隊の軍人建設者たちは、キャンプ場と独立サービスビルを、早い期間に建て終えた。この他にも、人民保安省旅団と速度戦青年突撃隊指導局旅団、英風貿易局旅団の戦闘員たちが、いくつもの棟の骨組み工事を終わらせる成果を挙げた。

各地で達成してきた、他の市公団委員会の幹部と突撃隊員たちは、朝鮮人民軍の軍人たちの闘争を見た時、創造の気風を受け継いで、工事を力強く前倒しにした。陸海雲城旅団の幹部と突撃隊員たちは、ホテル建設に精密型枠工法を取り入れて、工事速度と質を高水準に保っている。

原林部課長: 原林緑化作業でも、目を見張るべき成果を成し遂げた。朝鮮人民軍の軍人たちと建設者たちは、金正日愛国主義を大切に守り続け、数万本の松の樹とアカシアの樹を傷つけないようにしながら、工事の光を灯らせて前倒しした。

木々を植えるのに奮い立つ各地の党員たちと勤労者たちも、竣工の日を想い描いて、建設者たちと力を合わせ、銀杏、ケヤキ、モクセイなど、数百万本の木々を、展望を持って造植し、工事現場の地域を青緑色に飾りつけている。

記者: 元山葛麻海岸観光地区の建設を、最短期間で前倒しして終わらせるにあたって、問題点は何か?

資材分科長: 関連部門の工場、企業所から、鉄鋼材とセメントを始めとする建設資材を十分に保証することが、第一義的な問題だった。そうしたことができてこそ、梅雨の時節が始まる前に下部構造工事と骨組み工事を終わらせ、内部の作業に集中することができる。締めの建材と設備、付属品生産を担当する工場、企業所でも、細かい詰めをしっかりと行い、必要な資材と設備の保証対策を掲げることによって、最上の水準で予定日に仕上げることができるというものだ。

各道、市、郡でも、元山葛麻海岸観光地区の建設に必要な労力と資材、設備などをきちんと保証するための事業に、力を置かなければならないと考える。

建設指揮部責任者: わが幹部が火線をくぐる機関車となってひた走る時、工事の速度は、さらに早くなるだろう。わが党の政策の運命が、幹部たちの肩にかかっていることを肝に銘じて、党の思想の貫徹戦、党の政策の擁護防衛戦の炎を高く掲げ、工事の組織と指揮をさらに綿密に組んでいく。

そうしてこそ、忠実という労力の贈り物を抱いて、9月の大祝典場に晴れて入っていくことを、固く決意するのだ 〉

以上である。

 

他にも3つの関連記事が出ているが、これらの記事から垣間見えるのは、次のようなことだ。

・ここ1ヵ月ほどのうちに、金正恩委員長の絶対命令によって、国を挙げた建設事業が、元山の海岸地帯で始まった。
・この建設事業は、数百万㎡にわたる超大型リゾート施設を作るもので、数百棟を建設する。
・この建設事業には、朝鮮人民軍が総動員されている。
・この建設事業は、9月9日の建国70周年の記念事業として、その時までに完成するよう進められている。

こうした事実は、多分にインスピレーションを掻き立てられるものだった。「鎖国国家」を率いる金正恩委員長が何を考えているのか、その一端が読み取れるのである。

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