実は顔色だけで、あなたの健康状態はこんなに分かる

覆面ドクターのないしょ話 第17話
佐々木 次郎 プロフィール

白目が黄色かったら、消化器内科へ

私が顔色の次に観察するのは目の色である。

たとえば、私の隣に座った乗客の目が黄色く酒臭かったとしたら、アルコール性肝障害でかなり進行した状態を私は疑う。乗客を見ながら色々なことを想像する。若い頃からの暴飲暴食、取引先の接待、妻の献身……「そんなときに出会ったのが青汁です」というナレーションまで脳裏をかすめる。

白目(眼球結膜という)が黄色くなる状態はふつう黄疸を疑う。黄疸とは、血液中のビリルビンという物質が増加し、体全体が黄色くなる状態をいう。黄疸の原因も多々あるのだが、頻度の高い疾患は胆石肝臓病である。

 

体に痒(かゆ)みも出て、胆石が胆管に詰まって胆汁が分泌されないと、便が白っぽくなる。「ウンコが白い」という家族や知人がいたら、目の色を見て確認し、黄疸が疑われた場合は、消化器内科を受診しましょう。

その他、目に関する着目ポイントとしては、眼球の突出濁りを挙げたい。眼球の突出は甲状腺機能亢進症、眼球の濁りは白内障の可能性がある。

甲状腺とは、のどの左右にある一対の双葉のような形をしたホルモン分泌組織である。甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病)は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、女性に多い疾患である。眼球が突出し、のどの周囲が何となく膨らんでいる場合、甲状腺機能亢進症の疑いがある。様々な症状を呈するが、動悸・のぼせ・発汗などは典型的な症状である。目が大きくて汗っかきの飲食店のママが、「最近動悸がするのよ」と言ったら、内分泌内科受診を勧めてみて下さい。

白内障とは眼球の水晶体(レンズ)が濁ってしまう病気である。水晶体は加齢に伴って誰でも濁っていくものだが、白内障では糖尿病が隠れている場合があるので注意が必要だ。白内障が疑われたら、まずは眼科を受診しましょう。

白内障の初期は自覚症状がほとんどないので、40歳を過ぎたら定期検診を受けることが勧められている(photo by istock)

最後に、冒頭で述べた突進歩行のおじいちゃんだが、このような歩き方を見たら、「パーキンソン病」を疑う。歩き方は特徴的で、前傾姿勢のまま突進するように小刻みに歩く顔は無表情で、手足が震えるのが主な症状だ。脳から分泌されるドパミンが減少することによって発症する病気である。この場合は神経内科を受診しましょう。