2010年南アフリカ大会以降、日本代表の核となってきた3人だが(photo by gettyimages)

ロシアW杯で本田、香川、岡崎に求められる「本当の役割」

02年大会、10年大会の教訓を活かせ
5月18日、日本代表のロシア・ワールドカップ初戦、6月19日のコロンビア戦まであと一ヵ月となったところで、27人の最終候補メンバーが発表された。一ヵ月後にはこの中から選ばれた11人が先発することになる。はたして誰が選ばれるのか。

若手、中堅が伸び悩んでいるなか、どうしても存在感が大きいベテラン・ビッグ3、本田、香川、岡崎に目がいってしまうが、日本代表が出場した全大会を現地で取材してきた戸塚啓氏によれば、彼ら3人には、試合で活躍する以上に重要な役割があるという。

結果を出した2大会にはまとめ役のベテランがいた


ワールドカップで成功を収めるための必須条件について、日本代表の西野朗監督はどのように考えているのだろう。

1998年から5大会連続でW杯に出場してきた日本は、2002年日韓大会と2010年南アフリカ大会にグループリーグを突破している。世界のベスト16入りを果たしたふたつの足跡には、はっきりとした共通項がある。

チームの「一体感」だ。

 

02年日韓大会のチームでは、ゴンこと中山雅史と秋田豊がまとめ役となった。彼らはともに、初めてのW杯出場を勝ち取った98年フランス大会のレギュラーである。実績は十分だ。

しかし、02年大会の中山は1試合に途中出場しただけで、秋田は1分もピッチに立っていない。34歳のFWと32歳のDFは、チームを盛り立てる役割を託され、自分と同じ立場の控え選手を巻き込んでレギュラーの選手たちをサポートしていった。

2002日韓大会、最年長の中山は、中田英寿、稲本潤一、小野伸二ら個性派の多かったチームをまとめ、一体感をもたらしていた(photo by gettyimages)

8年後の10年南ア大会でも、経験豊富なベテランがチームを支えた。

岡田武史監督から、あらかじめ第3GKの立場となることを告げられていた34歳の川口能活が、若いチームメイトと指揮官のパイプ役になった。

大会直前の戦術変更により、期せずして控えにまわることになった川口の一学年下のGK楢﨑正剛、大会中に32歳になったMF中村俊輔、30歳のFW玉田圭司とMF稲本潤一らも、川口と足並みを揃えてレギュラーを支えていった。

経験豊富なベテランが献身的な姿を見せることで、若手や中堅も彼らにならう。チームの勝利を最優先に考えた控え選手のサポートが、レギュラーの責任感や使命感を揺るぎないものにしていく。W杯に挑む日本代表の組織論に、経験豊富な控え選手が生み出す一体感は欠かせないのである。

ロシアW杯に出場する32ヵ国は、5月14日までにFIFA(フィファ・国際サッカー連盟)に35人の予備登録メンバーを提出した。その発表方法は国によってまちまちで、23人の最終登録メンバーをすでに明らかにしている国もあれば、35人のリストしか公表していない国もある。

日本代表の西野朗監督は、5月18日に27人のメンバーを発表した。21日からスタートするトレーニングと30日のガーナとのテストマッチを選考材料として、31日に23人に絞り込むとの青写真を描く。

発表された27人には、02年大会の中山や秋田、10年大会の川口のような立場の選手はいない。一見して「チームのまとめ役」と見なされる選手は不在だ。

まとめ役に成り得る選手はいる。本田圭佑、岡崎慎司、香川真司である。

ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督のもとでは、3人ともに微妙な立場に追い込まれた。本田は所属クラブでレギュラー格の働きを見せてきたものの、3月のテストマッチでインパクトを残せなかった。岡崎と香川はケガもあって、代表から遠ざかっていた。

西野監督は彼らの経験や実績を評価しており、トップコンディションならチームに貢献できるとの見通しのもとで27人のリストに加えた。ただ、ロシアW杯行きが当確になったわけではなく、彼らのコンディションを注意深く観察していくとしている。

西野監督がどのような戦術を採用するのかにも関わってくるが、3人が漏れなくスタメンを確保するとは考えにくい。