写真:加藤慶

可愛くないのに「可愛い子目線」で話す女性の職業とは?

鈴木大介×鈴木涼美特別対談【後編】

現代ビジネスが誇る「ダブル鈴木」、鈴木大介さん(『されど愛しきお妻様』著者)と、鈴木涼美さん(『オンナの値段』著者)のトークバトルが先日、開催されました。昨日に引き続きでダイジェストをお届けします!

*前編はこちら

体を売ると、なぜ「病む」のか

大介 それで、よく思うのが、「なんで風俗やると心を病むんだろう」ってことなんですけど。

涼美 たしかに。私の友達もAVや風俗を長くやっている人は基本病んでますね…。

大介 仕事柄、どんな時でも笑ってないといけない人たち、例えばCAとか、販売員とか。そういう人たちって病みやすいっていう解釈ありますよね。感情労働の問題とか言いますが。さらにセックスワーカーって、生理的に無理だと思う人の前でも裸でニコニコしなきゃいけないじゃないですか。正直ね、俺は無理なレベルだと思うんですよ。

涼美 でもCAとかはあんまり病んでないですよね?

大介 罵声を浴びせてくる人たちが少ないからじゃないですか?

僕は性風俗全てを全否定はしないけど、そもそも風俗でしかセックスできない男たちが嫌いなんです。普通、男女がセックスの距離に至るには、いろんなコミュニケーションとかいろんな気持ちを積み上げて、セックスの距離に至るわけじゃないですか。彼らはその努力を数万円で埋めるわけで、その程度の人の前で裸になるのって、相当ストレスなんじゃないかなって。

写真:加藤慶

涼美 おっしゃってることもすごいわかります。ただ、風俗嬢って、普通の女性の100倍くらい「可愛い」って言われる機会も多いと思いませんか。可愛くないのに、可愛い子の目線で話してくる女の子って、セックスワーカー経験者が圧倒的に多いんですよね。おじさんだってせっかくお金払ってるんだから自分を盛り上げるために大して可愛くない子にも「可愛い可愛い」って言って。それで勘違いする女の子は結構たくさんいるなと。

ディスられる機会も多いけど、褒められる機会もすごく多い、勘違いするほどに。どんな人に罵られようとも笑わなきゃいけないから病むっていうのはもちろん同意なんですけど、それプラス、何か理由がある気がしてます。

前にピンサロで働いてた子が「キスをするのはひたすら気持ち悪い。でもちんこなめるのは仕方がない。ただ、乳首をなめられてる時だけは泣きそうになる」言ってたのがかなり印象に残ってて。

キスは、まったく気持ちよさを感じず冷静でいられて、下をどうこうされるのは、それなりの快楽に集中できて。でも、乳首っていうその中間なのがいけないのかなって。若干の快楽と冷静さが心をすり減らす。医学的な根拠ではないんですけどね。

 

大介 やばい。めっちゃ面白い。涼美さんが凄いのは、僕みたいな頭の固い人間が上から目線で是非をつけるところを、いきなり乳首目線でフラットに語れちゃうことなんです。それ掘り下げて1冊の本にしたいですね。「されど乳首」みたいな。

セックスワークって相手との距離が基本ゼロなんですけど、細分化していくとそのゼロ距離の中にもレベルがあるんですよね。多分、乳首はゼロ距離の中でも、そこまで近寄っては欲しくないところなんでしょうね。

涼美 まあ、個人的には、性感染症とかは関係ないし、風邪とかもうつんない乳首は、舐められても一番無難な感じがしちゃいますけどね。