米朝会談の鍵を握る「北朝鮮生まれのCIA高官」のバックグラウンド

米政界進出の噂もあるが…
歳川 隆雄 プロフィール

ついに日本メディアにも姿を見せた「キーパーソン」

5月18日付「朝日新聞」(朝刊)一面左に「米朝交渉 CIA高官の姿―会談実現へ、異例のポンペオ氏同行」の見出しが付いた記事上に一枚の写真が掲載された。

同9日に電撃再訪朝したマイク・ポンペオ米国務長官が北朝鮮の金正恩労働党委員長と会談する模様を朝鮮中央通信が配信した写真である。ポンペオ国務長官の右隣に映る銀髪の男性こそが、筆者がこれまでに言及してきたアンドルー・キムCIAコリア・ミッションセンター(KMC)長である。

アンドルー・キム氏の姿が写りこんだ5月18日付朝日新聞朝刊アンドルー・キム氏の姿が写りこんだ5月18日付朝日新聞朝刊

朝日記事が伝えるキム氏の略歴は、「韓国のソウル高校出身の韓国系米国人であり、25年余りCIA諜報員として東京などで勤務。最近までCIAソウル支局長を務めた。そして昨年5月に(CIA内に)設立されたコリア・ミッションセッターの責任者」である。

ところが、同紙が報じていない重要な事実が一つある。1950年6月に勃発した朝鮮戦争。この内戦時に北側から南側へ避難、その後は故郷に戻れなくなり韓国に定住した人々が少なくない。彼らは「失郷民」(シリャンミン)と呼ばれる。キム氏はその家系に属する。すなわち、生まれ故郷は北朝鮮である。

 

筆者はこれまでのジャーナリスト活動の中で、旧CIC(米陸軍防諜部隊)出身で元CIA東京支局長の日系米国人、ハリー・フクハラ氏や元ソウル支局長でブッシュ(子)政権の国防副次官だったリチャード・ローレス氏などの知己を得たが、引退後もおおむね黒子に徹する人が多かった。

その意味からすると、CIAのアンドルー・キムKMC長は今後、公然活動に転じる意思を固めたため、金正恩・ポンペオ会談の写真公開に応じたとも解釈できる。

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