東京の湾岸タワマンが「天空の老人ホーム」と化す日

これが「人生100年時代」のリアル
河合 雅司 プロフィール

わが子に先立たれる人も増える

政策のズレは、高齢者対策にも感じることが少なくありません。政府も「人生100年時代」という言葉を掲げていますが、その意味をどこまで理解しているでしょう。

「人生100年」ということは、「より高齢化」した高齢者が増えるということです。男性と女性の平均寿命の差を考えれば、女性の高齢者のほうがより増えることでしょう。

しかも、100歳近くまで生きるとなれば、夫が亡くなってからの時間も長くなりますので、2040年には女性高齢者の4人に1人が独り暮らしになると予想されています。

親族に頼ろうとしても、100歳といえば、その子供も70代に達します。70代となれば癌や脳疾患、心臓疾患で亡くなる人も増えます。当てにしていた子供さえも先に亡くなってしまう確率が高まるということに他なりません。

「人生100年時代」とは、これまで以上に老後の時間が増えていくことでもあります。それは老後の生活費がこれまで以上に必要となるということです。

現在では、定年まで職業を持ち続ける女性は増え始め、自分で老後の生活費を蓄えるという人もいますが、一般的にはいまでも女性は男性に比べて収入が低い傾向にあり、老後の蓄えが十分でない人も少なくありません。

定年後の再就職を含め、独り暮らし女性の長い老後の生活費をどのように確保していくかを考えなければなりません。

女性の定年後は長い(『未来の年表2』P176より)
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高齢者問題でもう一つ忘れてならないのが、団塊ジュニア世代の老後です。

少子高齢化や人口減少問題はどの世代にも大きな変化を迫りますが、とりわけ大きな影響を被りそうなのが団塊ジュニア世代です。というのも、「終身雇用」や「年功序列」といったそれまで多くの人が疑わなかった働き方が崩れ去った後に社会に出た世代であり、十分な老後資金を貯められないまま老後を迎えそうな人が少なくないからです。

一方で、現在のリタイア組などには、自分たちは「逃げ切り世代」だと語る方もいらっしゃいます。だが、実はこの人口減少社会からは決して誰も逃げ切れないことをしっかり理解しておかなければなりません。若者が減れば、要介護状態になっても支えてくれる働き手がいなくなるからです。

今後は少子高齢化問題が何を引き起こすのかにいち早く気づき、その変化に合わせた暮らし方に切り替えていかないと日本は成り立たなくなるということです。

この問題の深刻さを理解した人が、世代を超えて地道に行動を積み重ねていくしかありません。

 

今回刊行した『未来の年表2』は、どの世代にも当てはまる内容です。ぜひ幅広い世代に読んでいただき、個々人のレベルで声を上げ、対策に取り組み始める人がひとりでも増えんことを願っております。

               読書人の雑誌『本』2018年6月号より(一部改変)

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