エンジニアが殺到!経産省が極秘にはじめた「電子政府計画」の本気度

一体、なにをするつもりなのか

行政全体を変えられるのか

筆者が入手したDXオフィスの資料には、「経産省→政府全体(に広げる)」という表記がしばしば使われている。昨年12月、安倍首相が高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)と官民データ活用推進戦略会議の合同会議で述べた「行政文書のペーパーレス化宣言」に経産省が先鞭をつけることで、他省庁に対する主導権を握ろうという意欲が透けて見える。

経産省は「当面は当省が所管する手続きに限る」と遠慮気味だが、彼らが立てた計画をよく見てみると、なかなか戦略的であることが分かってくる。

デジタル認証(署名・捺印の省略)では法務省、事務手数料のキャッシュレス化(印紙撤廃、オンライン決済に)では財務省、産業立地のインフラでは国土交通省、法人の雇用保険・健康保険手続きでは厚生労働省、地域産業の観点では地方公共団体と、幅広い相手を巻き込みながら進めることになるからだ。

ということは、強烈な抵抗に遭うということでもある。むろんテーマに応じた合従連衡や、別件での妥協・譲歩は出てくるだろうが、DXプロジェクトを政府全体、ひいては地方公共団体やその関係機関まで含む日本の行政全体に波及させるには、法制度の改革・整備(その一つに、今年中の成立を目指している「デジタルファースト一括法案(仮称)」がある)が欠かせない。

現在の「安倍一強」体制と、それを直接に支える経産官僚の関係については、良くも悪くも評価が分かれる。

ただ、「電子政府」への改革はもはや後がない。森喜郎首相の「イット革命」発言からはや20年が経ち、住基ネットやマイナンバーなどに軽く10兆円を超す税金を投入していながら、電子政府システムは、いまだに国民生活の利便性を少しも向上していないのだから。

安倍首相と親密な世耕弘成氏が経産大臣を務める間に「次」へのクサビを打つ、と経産省事務方が腹を固めたのか。それがDXオフィス、DXプロジェクトとして形になったということか…そんな穿った見方もできるだろう。

いずれにせよ、「スモールスタート」を旨とするDXプロジェクトが、閉塞状況に陥った「電子政府改革」自体を改革する「蟻の一穴」となるか、安倍政権の弱体化とともにあえなく「蟷螂の斧」に終わってしまうか、今後も興味は尽きない。