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リフレ、お散歩、裏オプ…進化する「JKビジネス」の巨大な市場規模

男の欲望に支えられた巨大マーケット
門倉 貴史 プロフィール

「JKビジネス」の市場規模はどれくらい?

2016年に「JKビジネス」の最新形態として登場したのが「JK占い」だ。これは、オモテ向きは、女子高生が占い師となって、男性客の運勢を占ってくれるサービス。しかし、その実態は、占いの形態を取ることで女子高生と男性客のプライベートな空間を提供し、裏オプション付きの「JKビジネス」を展開するというもの。

ある「JK占い」の店の看板には、「1級占い師(16 歳〜18歳)の指名料は2000円」「2級占い師(18歳以上)の指名料は1000円」などと書かれていた。指名料が占いの技術ではなく、年齢で決まっているところがすでに怪しさ満点となっている。「JK占い」も、いずれ風営法違反で摘発される可能性が高い。

このように「JKビジネス」は雨後の筍のように登場しており、警察当局と「JKビジネス」経営者のイタチごっこが続いている。

 

では、どれぐらいの女子高生が「JKビジネス」に参加しているのだろうか。

警視庁が2016年5月に発表した『いわゆるJKビジネスにおける犯罪防止対策の在り方に関する報告書』によると、都内女子高生の9%が「実際にJKビジネスで働いている子を見たり聞いたりしたことがある」と回答している。

調査対象者に直接JKビジネスをしているかどうかを尋ねる方法では事実を隠す傾向があり、このような間接的な質問形式になっている。そのため、かなり強い仮定にはなるが、見たり聞いたりしたJKビジネスに参加している女子高校生は、ヒアリング対象者1人につき1人で、なおかつその女子高校生は他のヒアリング対象者が見たり聞いたりした人と重複しないという前提で試算をする。

文部科学省の『学校基本調査』によると、2016年度における都内の女子高校生徒数は16万2203人なので、1万4598人(=16万2203人×9%)の都内の女子高生が「JKビジネス」に参加している計算になる。

なお、警視庁の調査では、2016年1月時点で「JKビジネス」を手掛ける店が東京都内で174軒確認されているが、この数字には無店舗型などは含まれておらず、実際の「JKビジネス」の業者はもっと多いと考えられる。

仮に1万4598人の都内女子高生が「JKビジネス」に参加しているのであれば、1軒あたりの女子高生の在籍数が35人ぐらいと言われるので、「JKビジネス」を手掛ける店の数は417軒(=「JKビジネス」に参加する都内女子高生1万4598人÷1店あたりの女子高生在籍数35人) に上るとみられる。

政策当局がいくら「JKビジネス」への規制を強めても、「JKビジネス」を求めるロリコンの男性客と「JKビジネス」に自主的に参加する女子高生がいる限り、需要と供給をマッチングさせる「JKビジネス」が消滅することはないだろう。「JKビジネス」は、規制当局の目の届かない闇の世界へと潜っていくだけだ。

最後に、日本の「JKビジネス」の市場規模はどれぐらいになるのだろうか。いくつかの前提を置いて試算してみよう。

まず、警視庁の『いわゆるJKビジネスにおける犯罪防止対策の在り方に関する報告書』のアンケート調査をもとに、「JKビジネス」に関わっている都内女子高生の数を1万4598人とする。

また、ヒアリング調査によると「JKビジネス」に参加する女子高生は、正規の料金で1人あたり1日2万円、裏オプションで1人あたり1日3万円ぐらいを稼いでいる(合計5万円)。このうち正規料金は店と折半、裏オプションはまるまる本人の収入となる。さらに、女子高生の出勤率は3割程度だ。

以上から、「JKビジネス」に参加する女子高生1万4598人×1日の収入5万円(正規料金+裏オプション)×出勤率3割×営業日数365日=799・3億円が、2016年における東京都内の「JKビジネス」の市場規模ということになる。

女子高生側と店側に分けて市場規模をみると、それぞれどれぐらいになるのか。女子高生は、正規料金の半分(1万円)と裏オプションの料金(3万円)で1日あたり4万円を受け取る。一方、店側は正規料金(2万円)の半分で女子高生1人につき1日あたり1万円を受け取る。女子高生側と店側の配分が4:1になっているわけだから、799・3億円のうち女子高生の取り分は639・4億円、店の取り分は155・9 億円になる。

今から20年ほど前の96年には、女子中高生がセックスと引き換えに男性客からお金をもらう「援助交際」が流行した。

筆者の推計では、96年の「援助交際」の市場規模が下限420・9億円〜上限547・2億円だったので、現在の「JKビジネス」(799・3億円)はすでに20年前に流行った「援助交際」をしのぐ巨大マーケットを形成しているということだ。