「飲食店経営で地獄を見た」漫画家が古民家経営に成功した理由

ポイントは「ローコスト」「ローリスク」
折原 みと プロフィール
知人の奥様の遺作展。田んぼの真ん中の古民家ギャラリーに、3日間で300人もの人が訪れた 写真提供/折原みと

「地域活性化」にもひと役!

ところで、古民家は基本的に姉が管理しているが、カフェの店番には、ご近所に住む話好きのおじさんがボランティアで来てくれている。

仕事を定年退職後、この里山の自然や環境に惚れ込んで移住してきたこの方は、自然や郷土の歴史にも造詣が深く、物知りで面倒見がいい。子育てサークルのお母さんたちや子供たちを連れて里山ウォーキングをしたり、新しい移住者の相談に乗ったりと、古民家を舞台に、地域の人の輪はどんどん広がるようになっていった。

軽い遊びのつもりで借りた古い家が、いつの間にかたくさんの人を繋げ、笑顔にする場所に生まれ変わっていったのだ。これは、予想を超えた嬉しい展開だった。 経済的にも、実務的、精神的にも負担がなく、不要なものを利用し、自分も楽しみながら地域の活性化にも役立つ。こんな理想的なことはない。

地方自治体が頭を悩ませているという地域の過疎化、高齢化、空き家問題。しかしその一方で、ゆとりある生活や住環境を求めて、地方に移住したいという人たちもいるだろう。この古民家のように、マッチングや使い方が上手くいけば、地道に確実に、地方再生へとつながって行くかもしれない。
 
この記事を読んでくださっている方たちの中にも、地方移住や田舎の古民家生活に興味を持っている方がいらっしゃると思う。でも「現実的には無理」「ただの夢物語」と諦めてはいないだろうか? 

次回は、私の経験から、地方移住や、田舎で生活するためのポイントなどをまとめてみたいと思う。

すぐ近くにある田植えしたばかりの田んぼ。虫はいるけれど、この空気は東京では吸えない 写真提供/折原みと