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国の借金を返す姿勢が見えないのに、国民には増税っておかしくない?

そりゃ増税延期論が出てくるわけだ

本当に国民の負担なのか

「国の借金」の増加ピッチが鈍ってきた。

財務省が発表した2018年3月末の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」は、1087兆円と過去最高を更新したものの、増加率は1.52%と、前年度の2.11%に比べて「鈍化」した。

2010年3月末以降は、3~4%台の増加が続いていたが、2016年はわずかながら減少するなど、この3年間の伸び率は低くなっている。

アベノミクスによる企業収益の好転が、税収の増加に結びついており、それが借金の増加ピッチを鈍らせている。2017年3月末から1年間での増加額は16兆円あまりだった。

国債金利が低く抑えられていることも借金があまり増えなくなった要因だ。

 

大手メディアはこの発表を受けて「国の借金1087兆円、過去最大更新」と書いた。各紙がそろって「国民ひとり当たり859万円の借金を抱えていることになる」と書くのは、3カ月に1度このデータを財務省が発表した際の「決まり事」のようになっている。

GDP(国内総生産)対比では200%と、先進諸国に比べて高い水準にあり、多くのエコノミストが財政破綻してもおかしくないと警鐘を鳴らし続けている。

もっともGDP対比で示しても一般の国民にはぴんと来ないこともあってか、人口で割ってひとり当たりの国の借金額を示そうとしているのだろう。

各紙そろって「国民ひとり当たり」の数値を書くのは、それが説得力を持つと考えているからか。おそらく、財務省のクラブ詰めの記者が財務官僚に示唆されて書いているか、前年のスクラップブックを引き写して記事を書いているかのどちらかだろう。

だが、「国の借金は国民の借金だ」というのは本当だろうか。

もちろん、国には徴税権があるから、借金を回収するために増税すれば、国民が負担することになる。だが、国の借金返済を理由に増税することが本当にできるのか。

名古屋市長の河村たかし氏がかつて、「国の借金は国民の財産だ」と言い放った事がある。国の借金である国債は国民が持てば資産だというわけだ。

河村氏一流のレトリックだが、ギリシャのような国際価格の暴落(利回り上昇)が起きないのは、日本国債の大半は国内の金融機関や国民が保有しているからだ、という主張もある。

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