いまコンビニが「おにぎり開発」に全力を注ぐ納得の理由

今年のトレンドはこれだ!
吉岡 秀子 プロフィール

グルメ化するおにぎり

一方、ローソンのおにぎりに込める意気込みも並大抵ではない。

「おにぎりと言えばローソン、これを改めて知らしめたい」

と、「おにぎり屋」開店15周年を機に、炊飯方法などすべてを見直し、売り場の“のれん”を青色から赤色に変えるまでした大刷新を行ったのが去年の秋。それがこの4月にもまたリニューアルしたのだから、相当気合が入っている。

「手巻おにぎり」のごはんの握り方をふっくらさせ、厚みを10%アップ。海苔は保管方法を変更してさらにパリッと。加えて「胡麻さけ」や「わかめごはん」といった「混ぜ込みごはん」の具量もアップさせた。

「販売高は、前年比約1割増と好調に推移してきました。混ぜ込みごはんはご家庭で作るには手間がかかることもあり、特に女性やシニアのお客様から人気です」(ローソン担当者)

ということだが、注目したいのは、これまた珍しい「ご当地もんにぎり」シリーズだ。

ローソンの「だし巻玉子おにぎり」

4月下旬から発売されたばかりの新シリーズで、全国各地のご当地グルメや食材をおにぎりにした斬新な商品。「ご当地もんにぎり チキン南蛮おにぎり」(宮崎篇)や「同 帆立バター醤油おにぎり」(北海道篇)が出ていたので「食べたことがある」という人も多いだろう。

今は新しく、「同 だし巻き玉子おにぎり」(京都・大阪篇、158円)などが売り場を賑わせている。地元の味を再現できるのは、全国展開しているコンビニの強み。SNS上での、ふるさと自慢の話題作りにもなっている。

こうしてファミマやローソンのヒットおにぎりを分析すると、今の消費者がコンビニに求めるモノが見えてきた。

それは「ウチでは作れない、ひと手間かけた味」。コンビニでは、シンプルなおにぎりまでもがすっかりグルメ化しているといっていい。この点、コンビニメニューが簡便性だけでなく「質」を追求していることの証しだ。

 

セブンのおにぎり戦略

最後に、現在ヒット中のセブン-イレブン(以下セブン)の「小さな五穀ごはんおむすび」シリーズも見逃せない。

家庭でおいしく炊き上げるのが難しい大麦、もち玄米、もち黒米、ごま、トウモロコシといった雑穀を、それぞれ適した時間で水に浸して炊き上げ、独自製法でふっくら握ったヘルシーなおにぎり。若い女性を中心にリピーターが増えている。狙いはおいしさだけじゃない。

「3月から『カラダへの想い この手から』をコンセプトに健康志向の商品を多くご提供しています。このおむすびもその一環。レタス1個分の食物繊維が入っています」(セブン担当者)

「ヘルシー感」という新しいイメージをおにぎりに加えたのが、当たったわけだ。これまであまり来店数が多かったとは言えない若い女性を、コンビニへ呼び込んだ功績は大きい。

実はこのおにぎりの中に、もっと大きな狙いも込められている。

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