2006年ドイツW杯・ブラジル戦での中田英寿(Photo by gettyimages)

王者に学ぶ、サッカー日本代表「勝てるメンバー」の選び方

仲間を活かし、仲間に活かされるために

活路を見出すために

5月14日、ロシアワールドカップに挑む日本代表候補35人のリストが、FIFA(国際サッカー連盟)へ提出されている。

5月31日に、この35人のメンバーが23人に絞られるわけだが、はたしてどのような編成で戦えば活路は開けるのか?

例えば戦い方を決め、同じポジションに先発、控えを2人ずつ選ぶ(10人×2+GK3人)、というのは、一つの基本と言えるだろう。しかし、それでは違うシステムに対応できなかったり、切り札となりうる選手を選べない。

複数のポジションを兼ねるユーティリティプレーヤーや、勝負の機微を知るベテランや、プラスアルファになる選手。そういう駒も持つべきだろう。

今回は、過去にワールドカップを制したスペイン代表を一つのサンプルとして、新体制のもとでロシアW杯に臨む日本代表の「ベターな編成」を考えてみたい。

スペイン代表は「無敵艦隊」と呼ばれ、ポテンシャルは認められながらも、それ以前のワールドカップではベスト8が最高。複合民族国家で、各クラブ選手同士の敵愾心が非常に強く、一つになりきれないチームだった。

そんな彼らはいかにして、勝者の集団になれたのか?

 

多様なカードを揃える

名将ビセンテ・デルボスケが率い、2010年南アフリカワールドカップを制覇したスペイン代表はまず、メンバー編成がバラエティーに富んでいた。

同じポジションの選手でも、プレースタイルが違う。ダビド・シルバのような連係に長ける選手がいるかと思えば、ドリブルで切り裂けるヘスス・ナバスのような選手もいた。おかげで、相手チームの戦い方を分析した上で戦略を立てられたし、試合展開次第でシステムを変えられた。

FWだけを見ても、多士済々である。

絶対的なゴールゲッターでありながら、左サイドでもプレーできたダビド・ビジャ。圧倒的スピードを誇って、カウンターでは有力なカードになったフェルナンド・トーレス。身長195cmの巨躯を活かしたヘディングとポストワークを武器にしたフェルナンド・ジョレンテ。FWとMFのハーフのような特性を持ったペドロ。

すべてのカードを切ることで、デルボスケは頂点を極めた。

2010年南アフリカW杯、スペイン代表優勝の瞬間(Photo by gettyimages)

そして指揮官がジョーカーとして使ったのが、セスク・ファブレガスだった。

セスクは先発はなかったが、膠着した場面で流れを引き入れるために起用されている。プレミアリーグでの経験からプレースピード(テンポ)の速い選手で、国内のショートパスを好む選手とズレがあったが、後半に相手の動きが落ち、スペースが空いたところで登場すると、そのセンスが光った。

「柔軟さ」

代表のメンバー編成は時と場合に応じ、形を変えられる懐の深さを持つべきだろう。

そしてデルボスケ監督の人材マネジメントとして、意外にも高く評価されているのが、第3GKの人選である。