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任天堂46歳新社長・母が語った「子供のころ」と『信長の野望』

「学級委員すら嫌がった子が」

母が語る新社長の人柄

決算発表の会場、「古川取締役が、新社長に就任します」と発表されると、前方に座る男性に向け一斉にフラッシュがたかれた。

4月26日、ゲームの名門・任天堂の新社長に就任することが公表された古川俊太郎氏(46歳)。淡々と語る姿は冷たそうにも見えるが、ぽっちゃりとした風貌がそれを中和している。

会見では、「ニンテンドースイッチの販売をさらに拡大させることが最優先です」と静かに抱負を語った。

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父親は著名なイラストレーターの古川タク氏。「何かひとつ秀でるものがあればいい」という教育方針のもとに育ち、何よりゲームに熱中した。「社長就任にはびっくりしました」という母の古川みちさんが振り返る。

「とにかくファミコンが大好き。学校や塾から帰ってきたら2階の自分の部屋ですぐにゲーム、でした。ファミコンを置いてあった周辺だけ畳が磨り減っていたくらい。とくに歴史ゲームの『信長の野望』が好きでよくやっていましたね」

 

リーダーになりたがるタイプではなかった。

「上昇志向は感じません。小学校で学級委員を決めるときには、『なりたくない』と言って、それを聞いた近所のガキ大将が『みんな、俊ちゃんに投票するなよ』と触れ回ったほど。

でも、そんなふうにやんちゃな子とも友達になれるし、周りに人が寄ってくるタイプではありました」(みちさん)

よくしゃべるタイプでもない。だが、大切なことは自分の頭でじっくり考えを練り、それを実行に移す。それが見えたのが、早稲田大学政治経済学部の卒業を控え、就職活動を行ったときだった。

当時、任天堂は公募を行っていなかったが、自分で人事部に手紙を出して募集がないかを聞き、合格したという。親にも相談はしなかった。

入社後は経理畑を歩み、その後、ドイツにある欧州統括会社に11年間赴任。ゲーム機「Wii」の販売で頭角を現した。