部活動の「闇」をどうにかするには、大会数や活動量を減らすしかない

放置される重大事故の根本原因とは
内田 良 プロフィール

顧問がマイクロバスで部員を送迎

新年度に入って、部活動顧問向けのマイクロバス運転の安全講習会が開催されたというニュースをつづけて見聞きした(毎日新聞「部活の引率、無事に帰って」、瀬戸内海放送「部活などでバス運転の教職員に安全運転講習会」)。

自治体によっては、部活動時(練習試合や大会への参加)の教員による私有車等運転による生徒の送迎を禁じているところもある。交通事故が起きたときに、教員個人や学校・自治体に生じる責任問題を回避するためである。

だがそれでは週末の遠征が困難になるということで、むしろ積極的にマイクロバス等の運転を練習しようというのが、安全講習会の趣旨である。制度設計がないなかで、無理に無理を重ねながら、部活動は運営されている。

 

部活動は「無理矢理のパッケージ」

専門的指導者が足りない、場所が足りない。多少のリスクには蓋をして、なんとか部活動をまわしていこうとする。

もはや私には部活動というのは、矛盾を押し込めた「無理矢理のパッケージ」に見える。

そして、ひとたび事故が起きれば、生徒も教員も「あなたの不注意」と言われて、責任やケガを負うことになる。

廊下や階段で滑ったことも、ハンマーが生徒に当たったことも、その場に指導者がいなかったことも、雪崩に巻き込まれたことも、「無理矢理のパッケージ」だからこそ起きてしまう側面が強い。

無理矢理のパッケージは、生徒や教員の犠牲のうえに成り立っている。その犠牲をできるだけ少なくするかたちでの、未来展望図が必要である。

活動の総量や大会を減らそう

私は、この「無理矢理のパッケージ」を改善するためには、その大前提として、肥大化した部活動の規模縮小が必要であると考えている。

単純に考えると、たとえば活動の総量をこれまでの半分の週2~3日にすれば、活動に要する場所や人も半分で済む。

月水金と火木にわけて体育館やグラウンドを使えば、廊下を走る必要性は小さくなる。質の高い指導者が月~金にかけて2つの部活動を担当することも可能だろう。

大会の数や大会への参加回数を減らせば、練習試合の回数を含めて遠征の機会も少なくなる(未来展望図の詳細は拙稿「部活動の全国大会は、もう廃止してしまったほうがいい」を参照)。

「無理矢理のパッケージ」は、週に2日ほどの休養日を設けるだけで解決できるものではない。現行の部活動には大胆な斬り込みが必要であり、それこそが生徒や教員に安全・安心な学校生活をもたらすことになる。