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安倍首相の「5年半分の映画動静」を新聞読み比べ芸人が深読みする

え、このタイミングであの作品を?

新聞の静かな人気コーナー

私は新聞を12紙購読中なのですが、各紙の静かな人気コーナーと言えば首相の1日の記録だ。

「首相動静」(『朝日新聞』)、「安倍首相の一日」(『読売新聞』)、「首相日々」(『毎日新聞』)などタイトルはちがうが中身は同じ。

首相が何時何分にどこで誰と会食したかも載っている。たとえば昨年12月15日の【午後】を見てみよう。

《7時2分、東京・四谷の焼き肉店「龍月園」。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん、タレントの東野幸治さん、アイドルグループ「HKT48」の指原莉乃さん、社会学者の古市憲寿さんらと会食。10時37分、東京・富ケ谷の自宅。》(首相動静)

安倍首相の会食には焼き肉店がちょいちょい登場する。食事の好みもだいたいわかってしまう。

 

そんななか私が注目しているのが「映画」だ。

首相がどんな映画を観たかも興味あるが、「お、このタイミングでこの作品を?」と気になることがよくあるのである。

最近だと4月8日にあの映画を観ている。

《【午後】0時48分、東京・有楽町の映画館「TOHOシネマズ 日比谷」。荒井広幸内閣官房参与らと映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を鑑賞。3時38分、自宅。》(首相動静)

するとこのあと『安倍サン〝失意〟の胸を打ったチャーチルのあの場面』という記事が『週刊新潮』 (4月19日号)に出た。

「総理が尊敬してやまない政治家の一人がチャーチルなのです。愛読書の一つに彼の伝記『Never Despair』を挙げているくらいですから」と番記者が語る。

「伝記のタイトルを日本語に直せば“決して諦めるな”。チャーチルは戦後、選挙に敗れて首相の座を失うも、再び政権に返り咲くのですが、総理は苦境に立たされるたび、この言葉を思い出すのだそうです」(番記者)

総裁3選も絶対視されなくなった今、「総理は鑑賞中も、チャーチルの姿に自身を重ねあわせ“決して諦めるな”という言葉を反芻していたのでは」と『週刊新潮』は記事を結んだ。

しかし、この映画は実は「ダンケルクの戦い」でのチャーチルの“勇気ある撤退”を描いているのである。“決して諦めるな”とは逆の意味にもなる。モリカケ問題で今日の苦境を迎えた首相にはどのように映ったのか。かなり気になった。

「首相動静」は安倍首相の会食相手も確かに気になるが、私は「首相映画動静」のほうが興味深い。

ということで第二次安倍政権の2012年12月から約5年半で首相はどんな映画を観たのか? 今回、後輩にも手伝ってもらって「首相動静」をすべて調べてみることにした。

結果をご覧いただきたい。