みずほ・三菱・三井住友…メガバンクの「支店長」が消滅する日

判を押すだけの「エリート」は消える
週刊現代 プロフィール

銀行側がセカンドキャリアの面倒を見てくれないと不安に思って、人材サービス会社に登録するバンカーも急増しているという。しかし、みずから次の職場を見つけられる人は少数で、残らざるを得ない人のほうが多いのが実情。

仕事消滅の恐怖に直面しながら、それでも生きていかなければいけないエリート銀行員たちには、これからどんな心構えが必要なのか。

 

年収600万~700万円

まず覚悟しなければいけないのは年収カット。いまは年収1000万円オーバーが当たり前だが、日本よりもデジタル化が進んでいるアメリカでは、邦銀の支店長に相当する営業店のブランチマネジャーの年収が600万~700万円くらいになっているという。

仕事内容も大きく変わる。支店長室で決裁をしているだけでは早晩リストラ対象になるのがオチ。これからはみずから先頭に立ってがむしゃらに働くことが求められる。

「今後は融資の可否はAIの審査結果が中心になるが、融資案件自体は人間が見つけてこないといけない。それこそ支店長の腕の見せ所です。

みずから外回りに汗を流して、儲かる新規案件を発掘する商社マン的な動きが求められるようになります。また、情報のネットワークを持っているかも問われます」(前出・岡内氏)

中野坂上支店長のようにみずからフロアの最前線に出ることも必須だ。

「AI時代にもネットバンキングでは対応できない顧客の複雑かつ高付加価値な相談事は残るので、そうした顧客への対応が支店長の重要な仕事になるでしょう。

たとえば富裕層を相手に、顧客に最適な金融商品をアドバイスする専門的な仕事を支店長みずから行うようになります。

販売受託手数料が高いだけの金融商品を薦めるような支店長は淘汰されるでしょう。

一方、顧客から選ばれ感謝される支店長は多額のボーナスがもらえたり、優秀な支店長がメガバンク各行で取り合いになって、従来は禁じ手だった三井住友銀行から三菱UFJ銀行の支店長へ転職するようなケースも出てくると思います」(元バンカーで企業アドバイザーの津田倫男氏)

変化の時代を生きる支店長の明日は楽ではないが、腕試しには絶好のチャンス。これからの銀行員は安定の職業ではなく、真のビジネスマンとしての価値を試されるようになる。変わる勇気を持つ者だけに道はひらく――。

「週刊現代」2018年5月19日号より

関連記事

Pick Up

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/