がんの「余命宣告」の正しい意味を知っていますか?

患者さんの多くは誤解している
大須賀 覚 プロフィール

余命宣告が必要な場合もある

これから治療を始めようという時に「余命宣告」をする意味はあまりありません。しかし、余命宣告が意味を持つ場面もないわけではありません。

それは、本当に進行してしまったがんで、すでに多くの治療オプションを使い果たし、今後に行える治療がとても限られている場合などです。

そのような場合には、多くの治療分岐は存在せず、医師側としても比較的正確な予想が可能な状態となってしまっています。そして何より、患者・家族が残された時間を知ってもらい、貴重な時間を有効に過ごしてもらうために、伝えてあげた方が良い場面もあります。

もちろん、患者や家族が希望するということが大前提ではありますし、伝え方を含めて、大変に慎重な対応が求められます。

 

患者さんに願うこと

今回解説したように、皆さんが当たり前と思っている余命告知というのは、残念ながら誤解を生み、医師・患者ともにメリットがないことが多々あります。

一般の方には、この余命というものの実態をもっと知ってもらい、本当に知るべきなのは余命でないことを理解し、予想される治療経過・分岐点などについての情報を良く聞いてもらいたいと思います。

また、医療者の方にも患者の理解の仕方を考慮してもらい、広い幅で伝えるなどの配慮をいただければと思います。もっと、余命告知に関しての理解が深まり、患者・医師ともに不利益を被らないようになってもらえればと願っています。

退院のイメージ
  治療の全体像を理解することが大切 photo by iStock 

がん治療で悩むあなたに贈る言葉 米国在住がん研究者のブログ」より