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身の回りで静かにジワジワ進む「物価上昇」に気づいていますか

あとは賃金上昇が起これば…

光熱費、医療費の増が見た目を押し上げる

日本銀行が掲げる「物価上昇率2%」の目標に届いていないと批判を浴びているが、庶民感覚ではジワジワと物価が上っていると感じているのではないだろうか。そんな家計の実態が垣間見える統計が発表された。

総務省がこのほど発表した2017年度の家計調査によると、2人以上の世帯の家計消費支出は1ヵ月平均で28万4587円と前年度比1.3%増えた。家計消費が増加したのは4年ぶりのことで、それほど冷え込んでいたということだ。

消費にようやく明るさが戻ってきたのかと思いきや、そう単純ではない。物価変動の影響を除いた「実質」ベースの消費支出は0.4%増に過ぎず、物価上昇が見た目の消費を押し上げる結果になっている。

 

しかも、価格上昇が目立つのは、倹約しにくい分野が目立つ。

「光熱・水道」は物価変動を除いた実質の伸びは1.4%だったが、価格上昇を加味した実額ベースでは5.8%も増えた。月平均で2万2136円と月の消費全体の8%近くを占めるようになっている。

特に電気代が平均1万705円と8.4%上昇。使用量の増加もあるが、圧倒的に価格上昇の影響が大きい。電気代の上昇は、原油価格など原燃料の価格にスライドして自動的に料金が上がる仕組みのため、昨年来、原油価格が再び上昇傾向になったことが響いている。

小売電力については自由化によって新規参入などが増えているが、家計消費で見る限り、まだその恩恵は及んでいない。

医療費の伸びも大きい。「保健医療」への支出は1万3127円と4.1%増えた。価格上昇の影響を除くと2.9%の増加で、量・価格ともに上昇していることがわかる。

診療報酬の引き上げや薬価の改訂などで家計に占める医療費の割合はジワジワと上昇している。

特に、高齢者が主体の「無職世帯」の総支出に占める保健医療費の割合は6.1%に達し、勤労世帯の3.8%を大きく上回る。高齢者世帯に医療費が重くのしかかっている様子が浮かび上がる。

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