男性は要注意…?最も歯周病になりやすい職業とは

糖尿病や心筋梗塞との関連も
堀川 晃菜 プロフィール

歯周病は生活習慣病ともいわれますが、個人差の大きい病気です。

今回の報告は、職種差に注目したものですが、1986年に発表されたスリランカスタディ(スリランカの紅茶農園の男性労働者480名を対象に15年間行われた調査)では、同じ環境で生活していても、歯周炎の重症度や範囲に大きな差が認められました。

この地域の人たちは歯科通院やセルフケアをする習慣がなく、同じ労働環境・同じライフスタイルであったにもかかわらず、15年目には最終的に「歯周病なし」が11%、「軽度〜中等度歯周炎」が81%、急激な進行や歯の喪失があった「中等度〜重度歯周炎」が8%という開きがありました。

このことからも、個々人の歯周病へのなりやすさ(感受性)によるところが大きいことが明らかになっています(歯周病の症状が免疫応答の結果として進行していくことを考えると、花粉症と同じように個人差があることにも納得がいきます)。

夜の道路運輸・通信業種で高いなど、職種による発症リスクの差は認められたものの、個人の感受性も関与すると考えられる photo by iStock

オーラルケアを見直そう

日本は衛生的で、きれいな国。多くの日本人は「歯磨きをしているから大丈夫!」と思いたいところですが、ライオンが2013年にアメリカ、スウェーデン、日本の3ヵ国でオーラルケアに関する意識調査を行った結果、欧米では半数以上がデンタルフロスを使用しているのに対し、日本では2割程度に留まっていました。

海外のメディアでは“Floss or Die!?”(フロスか死か!?)という衝撃的な言葉が見出しを飾っています。

デンタル・フロス イメージデンタル・フロス photo by iStock

さらに同調査によれば、歯科医院への通院目的も、日本は「ムシ歯の治療」であるのに対し、欧米は「歯の健康診断」が最多。欧米では半数以上が歯科医師からの情報をもとに、自宅でのオーラルケアに取り組んでいるのに対し、日本人の大半は自己流という回答でした。

治療のために通院することになれば、必然的に歯医者へ足を運ぶ回数も多くなります。長期的に見てどちらが合理的か、その答えは明らかです。健康という何よりの財産を守るために、日頃から予防に対する意識を高めていきたいものです。

〈論文情報〉
論文名: Is there an Occupational Status Gradient in the Development of Periodontal Disease in Japanese Workers?: A 5-year Prospective Cohort Study
「歯周病の発症と職業階層間との関連性について」
掲載誌: Journal of Epidemiology
著者:入江浩一郎氏(岡山大学病院予防歯科)他

〈参考文献〉
・『歯周病と全身疾患 最新エビデンスに基づくコンセンサス
日本臨床歯周病学会・監修、デジタルダイヤモンド社)2017年刊
歯周治療の指針2015 (日本歯周病学会・編)
 http://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_plan2015.pdf
8020推進財団 Webサイト http://www.8020zaidan.or.jp/index.html
日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査 Vol.2
(ライオン株式会社)

 https://www.lion.co.jp/ja/company/press/2014/pdf/2014050.pdf