「あの患者さん、なんでうちの病院のxx科に入院しちゃったんだろうね…」
病院内でこんな会話が実際に交わされているかどうかはわかりません。
ただ、病院の関係者であればたいてい、自分が病気になった時に、どの診療科なら受診するし、どの診療科なら受診しない、とひそかに決めているものです。
いかに大きな病院といえども万能ではない。そのことは医療者ほどよくわかっています。
以前お伝えしたように、大きな病院を受診するときには、病院をしっかり選ばないとさまざまなデメリットがあります(詳しくはこちら http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54939)。
主なデメリットとしては、
1)自分の病気や受けたい治療と、病院の得意な領域がズレている場合がある
2)実績がない病院だと、入院日数も医療費が余分にかかってしまう場合がある
3)そこまでの病気ではないのに診察の予約がかなり先になってしまったり、外来の待ち時間が非常にかかってしまったりする場合がある
などです。
では病院はどう選べばいいのか。
まず、一般の人がどういう基準で病院を選んでいるかを見ておきましょう(厚生労働省、平成23年受療行動調査)。
「以前に来たことがある」(38%)や「技術の優れた医師がいる」(25%)などに加え、「自宅や職場・学校に近い」(37%)、「医師や看護師が親切」(32%)、「交通機関の便がよい」(18%)、「待ち時間が短い」(9%)などといった施設に関係する項目が、病院を選んだ理由として並んでいます。
みなさんも心当たりがあることでしょう。
しかし、ここには病院を選ぶのに最も重要な視点が欠けているのです。
それは、「病院の手術数・患者数などの実績」です。これがないと、先ほど示したようなデメリットを被る可能性が上がってしまいます。