救急車で、折れた自分の足越しに見るエアーズロック

海外旅行で骨折したら、目玉が飛び出るほどのおカネがかかった話

登山大好き編集者が実体験を語る

登山と駅伝をこよなく愛する編集者・花房麗子。GWにオーストラリア・エアーズロックを訪れたものの、下山時に自転車で大転倒、左足を折ってしまう。

前編はコチラ⇒ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55540

思わず絶叫を上げながら、彼女は頭を巡らせていた。いったい、手術と入院、そして帰国でいくらおカネがかかるのだろうーー。

体を張って皆さまに「得する旅情報」(?)をお届けします!

エアーズ・ロックはもともと先住民の間で「ウルル」と呼ばれている地。「聖なる地ウルルに登らないでほしい」という願いはアボリジニからずっと叫ばれ続けていたことだった。登山のみならず、ウルルのベースウォークに撮影禁止場所も数か所ある 

日本の医療費とはケタが違う

私は、GWにオーストラリアへ旅行に行く、エアーズロック周辺で、麓で骨を折ったまぬけ者です。今回は、海外旅行中に怪我したらどれぐらいかかるか、病床に次々舞い込む「invoice」(請求書)を見て右往左往(実際に動いてはいない)する様子をお届けします。

事故後ずっと握りしめていたのがスマホ。そして充電器、充電器と騒いでいた。この2つがなくなったら日本に連絡ができない。とにかく負傷して日本に帰れなくなったことを旅行会社、家、会社に伝えなくてはと焦っていた。

まず家に電話して、留守宅に置いてある旅行のしおりを見て旅行会社に連絡してくれと伝えた。病気でなくて怪我だから、心配はいらない、と母に伝える。

「大丈夫なの? 行かなくていいの?」

何を言ってるんだと思った。英語できないのに来たって仕方ないでしょうよ…。

「とにかくお金のことは心配しないで、また連絡ちょうだい」

と、わりと冷静に母は言った。

その後、毎日の定時電話(海外ローミング代金が高くて普段は切るから、その時だけでいいと伝えた)のたびに、母は「お金のことはかかっても仕方ないから。心配しなくていいから」という。電話のこちら側で思うのは、たぶん「かかっても仕方ない」と言っている母の想定金額は、こちらで実際かかっている金額とヒトケタ違うだろうということだ。

たぶん母は「(50万円ぐらい)かかっちゃっても仕方ない」と言っているのだろう。だが、それが500万円だったら?

 

本当に迂闊だった

事故から1週間。帰国の日取りが見えてきたので、自分がどのように搬送され、治療を受けたのかを整理しておきたい。だが、その前に、自分がどんな事前準備をしていたかを書かなくては。

今回の旅で私は、オーストラリアをメインに手がけているという旅行会社をネットで見つけて航空券、ホテルを手配してもらっていた。カンタス航空のエコノミーを利用して、旅行日程の変更不可という条件だ。

現地で登山ツアーを手配することから、エアーズロックのホテルは日本語デスクのあるホテルを選択した。エアーズロックリゾートの中では一番いいホテルだが、新婚旅行のカップルに人気だそうで、普通の人は手が出ないというようなホテルではない。というわけでごく一般的な一人旅だ。

そして、掛け捨ての海外旅行保険には入っていなかった。

これは本当に迂闊だった。エアーズロック観光は「登山」なのだから、登山条件でも傷病カバー可能という保険に入っておくべきだった。

どこかに、カード会社がカバーしてくれるという気持ちがあったのだと思う。

クレジットカードはJALダイナース、ANAマスター、楽天カードを携行していた。

しかし、ANAカードは病床からカスタマーサービスに電話してみたところ、付帯条件がついていないカードだった(ついていたとしても医療費支払い上限は150万円)。楽天カードは、事前に楽天カードで旅行費用を払っていること、が条件だった(付帯条件が成立すると医療費支払い上限は200万円)。

私は旅行会社には費用を銀行振込で支払っていた。現地のお土産屋などでいくらカードを使っても意味がないのだ。以後、旅行費用は必ずカード払いにしようと固く決意した。今更だが。

残るダイナースは、付帯条件なし(持ってさえいればOK)で、医療費上限300万円がついている。そして、値段だけではないバックアップ機能を駆使してもらって、ありがたさをつくづく思い知らされることになった。それは後述しよう。