フジテレビ月曜9時『コンフィデンスマンJP』。
フジテレビが力を入れているようだ。
長澤まさみと東出昌大、小日向文世が3人揃って大詐欺師、億単位の金を掛けて億単位の金を騙し取るドラマは、見ているだけで痛快である、と言いたいところだが、うーぬ、なかなかそうとは言い切れない(そうおもう瞬間がないわけでもない)。
大掛かりな詐欺はおもしろいんだけれど、毎回だと「きちんと大掛かりなセットを組んだコント番組」に見えてくる。ドラマ感が薄い。
楽しいといえば楽しいが、ドラマとして楽しんでるのではない。いったい今週はどんな仕掛けだろう、とバラエティ番組のように見ているばかりで、バカバカしいのでだから毎週見続けるとおもう。
ここまで金をかけたコント番組はなかなか見られないからね。
おそらく、どこかでその仕組みそのものをひっくり返す展開を見せてくれるんではないかと期待して、付き合っている。
「長澤まさみのはしゃぎっぷりを、平常心で見続けられる人」にはおすすめである。
そして、このクール、意外なところで「おもしろい!」と唸ってしまって、毎週楽しみに見ながら、けらけら笑っているドラマがある。
『おっさんずラブ』である。
テレビ朝日系、土曜23時15分から。
吉田鋼太郎に田中圭、林遣都たちのボーイズラブならぬおっさんずラブである。
いやはや。
男同士の恋愛って、女性だけで楽しむために「関係性だけの交錯」を味わうために作られたものだとおもっていたけど、そしてそこには隠微な感じが漂っていたはずなのだけど、もはや世界はそうではないレベルに進んできているようだ。時代の変化を感じるドラマである。これをおもしろがる自分も含めて。
からっと明るく、楽しい恋愛ドラマである。
これは、みなさんにお勧めしたい。途中からでも、見たほうがいい。視聴率で話題になることはないだろうが(土曜の23時過ぎだし、裏にドラマが複数かさなっている)、しかし、ドラマとしては、これからきちんと話題になるとおもう(そうあってほしい)。
田中圭に林遣都、吉田鋼太郎にそして真島秀和が、どうなるのか、ほんとにふつうに見守っていたい。おっさんなのに。見守りたい。ちょっとありえないドラマである。
これがこの春ドラマのラインアップである。「おっさんずラブ」がある、というその一点で、私にはかなり楽しめるクールになっている。