ある日、僕は部長に告白された…「おっさんずラブ」が面白すぎる!

4月期TVドラマ、魂の完全寸評
堀井 憲一郎 プロフィール

波留と鈴木京香の異色バディもの

意外と高評価(高視聴率)で始まったのは波留の『未解決の女』(テレ朝系木曜21時)。サブタイトル(及び原作タイトルは)「警視庁文書捜査官」。わかりやすく警察官ものですね。未解決事件捜査というところが、ちょっと『シグナル』とかぶっている。

波留と鈴木京香の「女性刑事のバディもの」である。女性刑事どうしのバディものというのは(厳密にはいつも一緒に捜査にまわっているのではないのだが)珍しい。

もと朝ドラ主演女優二人による(『君の名は』と『あさが来た』で主演時期は25年空いている)女刑事ものとして、なかなか見応えがある。

波留が行動派の刑事(あまり考えることが得意ではない)、鈴木京香が頭脳派の刑事(文書の読み込みで事件解決に貢献する)という凸凹コンビである。

また、彼女たちの上司と同僚の、高田純次と遠藤憲一がやさしく穏やかで、見ていてほっとする。このタカジュンとエンケンがけっこう毎回見ていたい空気を醸し出してくれる。

話の展開というより、この人たちが事件ごとにどう動くんだろうというのを見たくて、見続けている。だいたい一話完結なので、毎回見る必要はないのだが、だからこそ見てしまうという、そういう力がある。

裏切りの少ないドラマである。安定的なもの好きな人向け。いまから見てもじゅうぶん間に合います。いちおうおすすめ。

頼りない吉高由里子がたまらない

吉高由里子(この人も朝ドラ主演女優ですね)の『正義のセ』(日テレ系水曜22時)も、捜査ものではあるが、謎解きではなく、捜査官たちの人間を見るドラマである。

吉高由里子が演じるのは刑事ではなく、新米の検事。見ているのも危なっかしい不慣れな検事が、いろんな犯罪の量刑を決めていくドラマである。

事件ものではあるが、あまり切迫した事件が出てこない。事件解決が見どころではない。「とても頼りない若い女性検事」が、事務官役の安田顕や同僚検事の三浦翔平、あと豆腐屋を営む家族(生瀬勝久や広瀬アリス)らに助けられ、何とか乗り切っていくその「弱々しいが頑張る主人公の姿」を見守るドラマである。

ちょっと頼りない吉高由里子が好きかどうか、で視聴意欲が決まる。

私は圧倒的に吉高由里子が大好きなので(大好きな女優が多すぎるもが問題なんですが)、絶賛見逃さずに追っかけています。吉高が好きそうな人にはだんぜんのおすすめです。

 

展開が気になる

ドラマの展開がどうなるのか、で見せてくれるのは坂口健太郎の『シグナル』(フジ系火曜21時)。

警察ものである。未解決事件の捜査をしている坂口健太郎の刑事が、「過去の刑事(北村一輝)と通信できる無線機」を手にする。その通信によって、現在の事件が解決されたり、過去の殺人事件が防げたりする(過去の改変によって現在も変わる)。そういうドラマだ。

いったいこの先どうなるのか、という「ストーリー展開」によって引っ張られるドラマである。キャラ頼りではない力強いドラマだ。

ただ、原作は韓国のドラマで、そのリメイクである。面白いストーリーだからリメイクされたわけですね(だから結末も知ろうとおもえばすぐわかる)。

映像が印象的である。ざらっとしていて、暗い。

たとえば、現在の風景が暗く、回想される過去が明るく描かれていたりする。

そういう何か薄い膜があるような映像もふくめ、過去と現在を行き来するドラマなので、かなりしっかりと画像を見ていないと楽しくない。それは優れたドラマの特徴でもあるのだが、だいたい視聴率が上がらない。

この先どうなるのか、という展開を追って、最後まで見届けたいドラマである。温かみはまったくない。