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4月期TVドラマ、魂の完全寸評

春のドラマがひととおり出揃った。 

初期設定がわかり、さてこのあと見続けるかどうかが決まる時期である。

だいたいいつもそうだが、本当に見続けたいものは少しだけ、何となく見続けるだろうというのが大半で、確認のために(いわば仕事として)我慢しながらチェックを続けるものもそこそこ、というラインナップである。

この4月クール全般は、まあ、ふつうの品揃えというところである。

悪役が意外とはまる二宮和也

そんなに熱心に支持はしてないが、今後も見続けるだろうというものとして。

まず1つめは『ブラック・ペアン』(TBS系日曜21時)。

タイトルだけだと何か“黒い白鳥”かとおもってしまうけれど、それはブラック・スワンですね。バレリーナの映画。

ペアンは医療器具で(止血用の鉗子、もとは人名らしい)、登場人物である偉い医師が、手術終了のときに使う象徴的なものとして登場している。「黒い止血鉗子」というような意味になる。まあ、どうでもいいですけど。

大学病院を舞台とした医療ドラマだ。

大学病院内での権力闘争と、新しい医療技術をめぐる医療チームの対立を軸に物語が進んでいく。パターンどおりです。

ポイントなのはニノ・二宮和也演じる主人公医師が、天才的な手術技術を持ちながら傲慢で、同僚医が手術に失敗すると、患者を救ってやるから金をよこせと、高額な報酬を要求し、手術を成功させ、その金を受け取ったうえで、その「無能な医者」を辞めさせるという「いやな男」を演じているところである。

どこから見ても善良な二宮和也が「オペ室の悪魔」を演じるのが、なかなか私はおもしろい。

さほど押し出しが強くないぶん(背が低いってことだけど)何かしらの屈託を見せることができるので、「ストレートな悪役」が意外とはまっている。

さて、どうなるのか、というポイントで(細かい部分でいろいろ気になるところはあるが、面白いドラマはふつうそういう矛盾だらけのものなので)、次を見たいとおもわせるドラマである。

この悪魔の医師に協力的な看護師・猫田を演じる趣里と、ひと筋縄でいかない医療コーディネーターを演じる加藤綾子が気になる(ちょっと問題視されていますが)。その3人を見守りたくて、見続けることになるだろう。一番のおすすめではないが、いまから見てもたぶん損はないとおもう。

 

どうでもいいことながら、先の朝ドラ主演の葵わかなが真面目な看護師を演じていて、何の引っかかりもない。癖のないいい人を続けてやってしまっていて、彼女の先行きが少し心配である。

菜々緒の悪魔っぽさ

このクールにはまたべつの悪魔が登場していて、それは菜々緒。

『Missデビル』(日テレ系土曜22時)で、情け容赦なく不要な人材を退職させる「人事の悪魔・椿眞子」を演じている。菜々緒があまりに悪魔ぽくて、笑ってしまうほど悪魔ぽくて、実際見てると何度か笑っちゃうんですが、だからちょっと魅力的である。

菜々緒は、過去にも何度か悪女役をやってきたが、ここまで徹底するとかえって悪女ではないのだろうという雰囲気がでてきてしまう。悪魔に見えているが、実は、という展開が後半に待っていそうで、見ている人はみなそう感じているとおもうが、だからこそその「パターン」にはまっていくさまが楽しいのである。

菜々緒を見ているのは楽しいのだが、毎回ずっと見ていなきゃ、というほどのドラマでもない。

菜々緒の強烈なキャラに興味あるなら、これからでもそこそこ楽しいとおもう。