シリア難民支援で最先端のブロックチェーンが使われている深い理由

評価の定着を待ってはいられないから
エミリー・パーカー, LONGHASH プロフィール

ビットコイン問題が人道支援を間接的に助けている?

ビットコインが投機の対象になり、マネーロンダリングにもつながっているという、よく指摘される問題がある。そのようなビットコインによって、ブロックチェーンが世間で注目されるようになったために、ビットコインとブロックチェーンが常につながっていると思っている人も多い。

しかし、WFPのブロックチェーンはビットコインを一切使っていないし、荒々しいボラティリティ(価格の変動性)を持つ仮想通貨を人道支援に使うのも理にかなっていない。今日10ドルだったものがすぐに5ドルになってしまうかもしれないのだ。

 

だが、WFPのプロジェクトがビットコインとは無関係だとしても、人々はそれらを結びつけて考えてしまうだろうとハダッド氏は言う。「だから、ビットコインで何か問題が起こると、私たちのプロジェクトにまで懸念を示し始める人がいるのです」。同時に問題となるのは、ブロックチェーンに過剰に入れ込んでしまい、「なんでもかんでもブロックチェーンに含めようとする」人たちも存在することだ、とハダッド氏は指摘した。

目を見張るほど乱高下するビットコイン価格が、仮想通貨を有名にしたのは事実だ。そして究極的には、この現象はWFPのプロジェクトにとっては、いいことだと言えるだろう。「総合的に見れば、仮想通貨が人々の興味をかきたてていることは、このプロジェクトにとってプラスに働いています」と、ハダッド氏は述べる。「そうでなければ、私たちはブロックチェーンと何か、またなぜこれが必要かについて、事務局長のところに行ってイチから説明しなければいけなかったでしょう」

奇妙なことだが、ビットコイン熱が間接的にはWFPのシリア難民援助を手助けしているのである。ハダッド氏はこう続けた。「新聞やメディアでビットコインへの熱狂を見続けているから、人々は私たちの言わんとしていることに耳を傾けてくれるのです」(訳・山田敏弘)。